☆カフカ君どこへ行く?☆
【海辺のカフカ】村上春樹さんの作品でここ数年で期待以上だと思えた作品が【海辺のカフカ】でした。誰もが知っているメジャーな方ですが作風はまるで予定調和ではない独特の文章になっています。文体を楽しむことができ、頭の中で全てをパズルのようにリンクさせ、今まで以上に人間を楽しめる作品に仕上がっています。最近は米紙ニューヨーク・タイムズ「2005年の本ベスト10冊」にも選ばれました。日本人の作品が選ばれるのは難しいと言います。同紙は「トリックの内容を説明しながらも超能力を持っていると観客に思わせる魔術師のようだ」と賞賛しています。日本の作家がこういう受け取られ方をされるのは本当に嬉しい事です。日本的な物珍しい捉えられ方でなく適切な評価をされていると思います。長編では『世界の終りとハードボイルドワンダーランド』『ねじまき鳥クロニクル』『羊をめぐる冒険』『ダンス・ダンス・ダンス』短編では『レキシントンの幽霊』 『神の子どもたちはみな踊る』 『パン屋再襲撃』『遠い太鼓』 『日出る国の工場』が個人的にはオススメです。