今日はトス吉の診察日（２回目）。

中耳炎と、おそらく内耳炎だって。
耳の神経がやられて歩けなくなってた可能性が高いって。



じつはね・・・。
うちで耳掃除したあとで変になっちゃったんだよね。

耳掃除が原因だと断定された訳じゃないんだけれど。



耳用の洗浄液って、鼓膜より奥には『毒』なんだけど、
鼓膜でシャットアウトされてるし、
犬や猫はプルプルッと首を振って水気を飛ばせるから、
奥まで行っちゃうようなことは、普通はないらしいの。

実際、うちでもメ～子の外耳炎に使ってきたし、
知りあいさん達（おもに犬）も何事もなく使い続けてる。
危険なものだったら、一般用に販売されないだろうしね。



それがどうやら奥まで行っちゃったのは、
まれにある事ではあるらしいのだけれど、
トス吉の場合、肩がちょびっと不自由なので
プルプルが上手にできなくて、液が溜まりっぱなし
だった事も関係あるんじゃないかと思う。

きっと、あたしの不注意のせい。

トス吉がぶきっちょなのは知っていたのにね。



出会った頃のトス吉は、
ガリガリに痩せてて、あちこち骨折してボロボロだった。

ずっとオナカが空いて寂しかったんだと思う。
ものすごい食いしん坊で甘えん坊だった。
ゴハンが終わっても食器をいつまでもべろべろ舐めていたし、
人の懐に潜りこんでは服やら腕やらをいつまでもべろべろ舐めていた。

もうこの子には何の苦労もして欲しくないと思った。

そのうちムクムクと大きくなって、
食いしん坊なりに食欲も落ち着いたし、
甘えん坊なりにふてぶてしい『男の子』の顔になった。

肩も腰も曲がったままだけれど、
おかげで動作もドタドタして全然スマートじゃないけれど、
彼なりに走ったり跳んだりできるようになった。

うちのメ～子やプー助とも仲良くなって、
悪さをするときには絶妙のコンビネーションを見せるようになった。

お客さんからは「愛されて当たり前って表情してるね～」と
呆れた顔で言われるようになったけれど、
あたしは、トス吉がそう思ってくれてるなら何よりだと思った。

この子はもう一生分の苦労をしたんだから。

他人様に迷惑をかけない範囲なら、健康に害がないなら、
悪さしたっていいじゃん。甘やかしたっていいじゃんか。

そう思っていたのに。



あたしのせいで、
こんなに辛い思いをさせてしまった。



今にして思うと、トス吉のプルプルはたどたどしくてキレがなかったし、
メ～子と較べて、回数的にも随分あっさりしていた。今にして思うとね。

あのとき「ちゃんと排出できてないんじゃないか」って考えついていたら、
ちゃんと対処していたら、こんな事にはならなかったんじゃないか・・・。

そればっかり、何度も何度も考えてしまう。



主役の座（？）を奪われて、怒りっぽくなってるメ～姫。

伏せっているトス吉を見て、とっても心配そうなプー助。



あたしがしっかりしなきゃいけないのに、
普段どおりの明るくおバカな猫家庭を支えていかなきゃいけないのに、
気を抜くと、うっかり「あのとき・・・」の繰り返しにハマっちゃう。
申し訳ない気持ちで眠れないし食欲もない。こんなことじゃいけない。

しっかりしなきゃ。
しっかりしなきゃ。



徐々に元気を取り戻しつつあるトス吉。

昨日の昼からは、少しずつ、
自分の力でゴハンを食べるようになった。

嬉しい。嬉しい。

あのガリガリだった頃も、
どこでケガをしたか知らないけれど、
ふらつきながら学校まで歩いてきた。
ここまで元気に大きくなった。

本当に強い子だと思う。