☆★☆「青春とシリアルキラー」佐藤友哉著
Q,疲れた人生を救うものはなにか?A,失踪と不倫!犯人の男は51歳のひきこもりで社会との接点がなかったという38歳だというのに暮らしが崩壊寸前でキッチンに山積みになった皿を洗う前にビールを飲まないと気合が入らず夜遅くに帰って来た妻と顔を合わせるとき変に緊張してしまうような僕はまあざっくり言って人生がしんどい。ナイフはすっかり研がれている。ぼくはそんなナイフを見て自分と他人のどちらに突き刺すべきかを考える。答えはすでに出ている。臆病者の僕はそもそもナイフなんて使わないし他人を殺すより自分を殺す方がいいし自殺するときは首吊りってむかしからきめているから。