☆★☆「ホワイトルーキーズ」佐竹アキノリ著
現役研修医が書くコロナ禍の医療の理想と現実とは?北海道の片田舎にある空知総合病院に四人の研修医が赴任してきた。風見司は工学部の大学院を終了後、医学部に編入した経歴の持ち主であり病院という環境に慣れずにいた。さらに初日から心肺停止の患者に出くわし医療現場の厳しさに打ちのめされる。沢井詩織は東京の私立大学医学部を卒業後実家の医院があるこの地方に戻ってきたが医師になってから見える景色は違っていた。さらに沢井が幼い頃から父の医院に通っていた患者を担当することになった。朝倉雄介は貧しい母子家庭に生まれ生活苦の中で意思を目指したが思い描いていた生活とのギャップにうんざりしていた。清水涼子はかつて祖父母の主治医であったベテラン医師と出会うが患者の家族として見えた姿と同じ病院で働く医師としてみる今の姿は違っていた。医療現場の過酷な労働環境や医療で出来ることの限界を目の当たりにするにつれて彼女の目指す医療像について悩み始める。新米研修医の同期四人は失敗と成長喜びを分かち合いながら院内を奔走する。二年後に医師として独り立ちすることを夢見て空知の青空に希望を乗せて。