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自分でつくる、女性旅,しましょう・・・

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2008年03月09日
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カテゴリ:大人の女性旅
女が旅する。 旅したいきっかけは何だろう




その応えは、往々にして とても漠然としたものであることが多い。



どこの、何を見たい、聞きたい、したいという目的意識はあまりなく、



ただ



同じ事を繰り返す毎日をリフレッシュさせたい。



今いる環境から脱して 異空間を味わいたい。



映画みたいなシーンに自分をおいてみたい。



いつもと違った自分を感じてみたい。。ならまだしも





今の生活に疲れちゃったから、逃げたい。




だったりする。




私が聞いた、女性が旅する-訳- エッセイ風に紹介してみます。





・・・・・・AF291便。関西空港発、パリ行き  座席番号22A



その日のフライトは比較的空いており、幸運なことに、



5列目の窓から3席。独り占めできた。 



私はパリを経由してそのまま仕事先のミラノに向かう予定



これからとりあえずパリまでの12時間45分もの時間を、2冊の単行本と、1冊の雑誌、



それにオンデマンドで放映される最新映画の中で2本、おもしろそうなのがあったので



それに費やすつもりだった。



普段、賑やかに家族と暮らしているので、こういった一人の時間は逆に新鮮で貴重なもの。




席について、身の周りを整え、搭乗前に買っておいたミネラルウォーターを飲みながら



機内誌をパラパラとめくってみる。



へえ・・機内でこんなのも売ってるんだ。。なんて一人言をつぶやいてると、



人影が雑誌を覆った。



「あれ?隣に人来たんだ・・」 少しがっかりした気分で見上げると



20代前半だろうか、若い女性が私の顔を覗き込み、 「お一人ですか?」と 声を掛けてきた。



私は、こういった女性達に声を掛けられるのは、慣れてる。



きっと、面倒見がよさそうに見えるんだろう。




「ええ、そうですよ。 どうされました?」 



既にもう カウンセラー気分。 きっと一人旅で寂しくなって 隣に座ってもいいですか?と聞くんでしょ。



と、案の定  「すみません、意外に空いててちょっと心細くなったんで 隣に座らせて貰っていいですか?」




もちろん、ここできっぱり断ることなど出来ない私の面倒見のよさを見抜かれてるんだろう。。



当然の如く、「ええ。もちろん。 どうぞ!」 と笑顔で答えてしまう。




「えっと、シートベルトってこれでいいんですよね? 靴は脱いだ方がいいんですか?」




・・・今どき、そんな事、聞く人いないよぉ。。なんて思いながら、シートベルトを締めてやり



靴は窮屈に思うなら、脱いでもいいんじゃない?別に脱ぐ必要は無いけれど、と応える。




「よかった!貴女みたいな人がいてくれて。 私、実は飛行機に乗るの、初めてなんです!」




へええ・・・正直驚く。  この世代この年で初めての飛行機とは!



初めての海外ならまだしも・・・それに一人で初めての海外がヨーロッパっていうのもすごい。





それにしても、どうして一人なんだろ。現地にお友達とか家族とかいるのかな。



それとも全く一人旅? いや、日本人女性で海外初めてで一人なんて、私のお客様でも聴いた事ない。



いくら無謀な人でも、そりゃないでしょ。




「一人旅なんです・・・」




私の疑問を見透かしたように、ぽつりと彼女が言った。




「え?ほんとに?!それ、すごいね。。。国内で旅慣れてるとか?それにしても勇気あるじゃない」




「いえ、旅行ってほとんどしたことなくて。 今も自分が飛行機乗ってるのが信じられないくらい」




。。。。。。。。。。。 えらい娘を隣に座らせちゃった。



 もしかしたら、私、話を聞いちゃったら この先、この娘に振り回される可能性大だな。こりゃ。





若干の覚悟をしながら、ぽつり ぽつり話すのを聴いてるうちに、機体がふわりと浮き、座席ごと



私達は斜めに傾き、身体を起しながら話を聞くのが辛くなり、もたれて彼女の様子を伺う。



目線はじっと前座席の背もたれに集中しているが、きっとそこは見てない。。。そして、瞬きしない。



飛行機に初めて乗る人の緊張感を私は良く知ってる。 何人もそういった人達を見てきて、



緊張を緩和してやり、気を紛らす手伝いをしてきたから。




「 飛行機はね、地上から飛び立つっていうより、目的地に向かってると思った方がいいのよ。



後ろより前を見るの。その先のことを考えると、愉しくならない? ほら、機体も、もう安定してきた。



さ、話の続きしましょうよ 」




「・・・はい」



かすれたような声で返って来た返事は弱弱しくて、私のその言葉が一層不安を仰いだ気もした。





それもそのはず、




彼女には、その先の計画が全くなかったのだ。





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最終更新日  2008年03月09日 22時30分13秒



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