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カテゴリ:大人の女性旅
彼女は23歳
大学を卒業し、中小企業事務職員として、1年半働いて 残業もそれ程無く、 これといった趣味もない。 毎日同じような日々を過ごし、 家族も 「嫁に行かなくても ここまま家に居たらいい」 と言ってくれ まさに、何不自由ないのだが、心は何か不自由だったらしい。 で、悶々とした日々を送っていただところへ、目に飛び込んできたのが とある旅番組で流されてたスペインの青い空!鮮やかな色彩の家々、 美味しそうな黄色いパエーリャ、そして 陽気なスペイン人達の笑顔! それを見て、彼女の血がワザワザ(ざわざわじゃなくて)と騒ぎ いてもたってもいられなくなり、翌日に退職届!(休職じゃなく)を出し そのまま、旅行会社に飛び込み、チケットを買い、パスポートを取得し 今、こうしてここにいる。 ・・・・・と言う事だったらしい。。。 仰天・・・ 唖然・・・ 私だったら、きっと そのパスポートを取得してる間に 色々不安になって、想いもさめちゃって、、 中止しちゃってる可能性大。 でもほんとは、彼女も、2、3日してから 落ち着いて考え出し、怖くなり、中止しようとしたけれど、 なんでも、旅行代理店の人がすごく冷たい感じの人?!だったんで フライトの予約キャンセルを言いずらく 結局 そのまま 購入し、ここまで来たらしい。 なんつーことだ。 私の頭の中を、よくある旅行会社のコピー 「いきなりスペイン!」 「ひとっとびスペイン!」みたいなのが ぐるぐる廻りだし、彼女には悪いけれど、ちょっとおかしくなった。 「そっか・・・。そりゃ・・・大変だけど。。。 愉しそうね!?」 ・・・いや、そんな事、絶対思ってなかった。 でも この時は、そういうしかなかった。 だって、彼女の物欲しげな顔は、 「お願い!助けてください」 と叫んでいるようで(絶対そうに違いない)、その思いをそらすには どうにか この娘に 「ひとり旅、愉しいかも!」って思わせるしかないもの 「と、とにかく。スペインはいいところよ~ ご飯も美味しいし、 見るところ沢山あるしね。 ガウディーでしょ、ピカソでしょ、 エルブジで食事するのも素敵だし、トレドとかもいい! 最近は イビサって避暑地が流行ってるらしいね~ 」 ・・・・まったく 引っかかってこない。 どうしたもんか。 そのうち、私は一人でしゃべり飽きてしまい 彼女もすっかりしょぼくれてしまったので、これは時間が必要ねと 配られたヘッドフォンを繋いで、モニターのスイッチを入れる。 番組表を見ずにとにかくチャンネルを替えて自分の好きなものを選ぶ いつものパターンで 次々と変わってく画像を眺めながら 右端で彼女の様子を伺う。 と、 声も上げずに、ぽたぽたと 大粒の涙を流し始めた。。。 こ、、こりゃいかん! 「・・・どうしたの? やっぱり不安なら帰国した方がいいんじゃない? 着いたら、帰るように手配してもらう? 」 「 ・・・・・・・・ 」 「 私さ、乗り継ぎ時間が結構あるし、ドゴールは慣れてるから わかんないだろうし、手伝ってあげるから。大丈夫 心配しなくていいよ!」 「 ・・・・・・・・・ 」 ん------------ ん------------- じゃあああ どうするのだ----------!! 「 私、 ・・・ 」 「恋がしたいんです 」 ----------続けます ------------- お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2008年03月10日 22時22分35秒
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