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カテゴリ:うたごころ
女はじっと水晶玉を見詰めている
室内は一本の蝋燭が灯るだけ 卓をはさんで座った私は少し不安になる もう5分は沈黙のさなかに置かれている 「どうですか? 何か見えましたか?」 私の問いに女は目だけでこちらを見上げ首を振り 再び水晶玉を見詰める やがて低い声で語りだす 「不思議です こんなことは今までにはありません 何一つ光の一粒すら現れない・・・」 私はにっこり笑い席を立ち 「ああ 仕方ありませんね 私には過去も未来も無い あるのは今だけですから」 そう言い残し部屋を出る 付記 今年は主にジーンズで過ごすよ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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