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カテゴリ:ほとけごころ
ワイン蔵で開かれた
彼の個展は 彼自身が思っていたより 好評だったらしい 「やあ よく来てくれた」 普段より機嫌の良さそうな彼の声が響く けれど ほんの少しの照明しかないので 彼の顔は見えない 「どうやらこれで君も世間に 少しは認められたって感じかな?」 渡されたグラスに口を付けながら聞く 「それはどうかな」 相変わらず顔は見えない 「どうだい? 僕の作品は?」 辺りを見渡したが何しろ暗くて どこに作品があるのかも判然としない 「ああ そういうことか・・・」 私の呟きに 彼も 「ああ そういうことさ」 表に出たとたん 眩しく照りつける太陽に 思わず掌をかざした 付記 忙しいって言ってるじゃん!!! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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