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カテゴリ:DNAごころ
「先輩今晩行きます?」
体育館から出ようとした時 額に髪の毛を汗で張り付けた娘が 小走りで近づいて来て言った 「?」 「あの 盆踊り行きます?」 「ああ 分からないな」 「・・・・」 「こら!深沢!何してんだ!」 向こうでバレー部の顧問が叫んでた 「平目」ってあだ名の彼女とは 夏のキャンプでちょっと話したことがあっただけ それでも悪友からは「お前のこと好きみたいだぜ」 とか言われて少しだけ気にはしてた まだ陽は暮れなずんでた 橋を渡った埋立地 やぐらと提灯 三々五々集まった人達がやがて輪になり 音楽が流れ出し踊りが始まった 「平目」は水色に朝顔模様の浴衣で やっぱり額に汗をかきながら輪の中にいた オラを見つけると笑顔になり手を振った でもオラはちょっと頷いただけで 連れていた犬の鎖を引っ張って会場を後にした 「可愛いな」って思ったけど 「平目」オラより15cmも背が高かった お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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