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2006年11月12日は私の忘れられない初茶事の日となりました。私が亭主をしたのです。 といってももちろん練習茶事。それでも私の思い入れは結構なものでした。 そしてこのお茶事は大失敗の大成功でした。分かりにくい表現ですが、理由はこの後に続きます。 まずは写真が床の花です。西王母と百日紅の照葉。 しかし、この写真を撮った頃はこの後のトンでもない出来事を想像するすべはまったくありませんでした。そのトンでもない出来事を最初にしなくてはこのブログを続けることをはばかります。 そのトンでもないことはそんなに時間の経過を必要としませんでした。お茶事は11月も中旬ですから本来は炉開きでしょうが、お道具の取り合わせと自分の誕生日の関係で11月中旬に風炉で行いました。そのため、茶事の進行は寄付きに始まり、初入り、会席、炭点前、濃茶、薄茶の順です。 会席が終わり、さて、慣れない炭点前です。先生は本当はお席に入らない進行なのですが、私が余りに慣れないため監督として入っていただきました。炭斗を持ち出し、灰器を持って入ります。その頃からどうも炭が音を立てています。通常のパチパチッといった音でなく、バチ!バチ!っと怖い音です。パチ~ンと飛んできやしなかと冷や冷やしながらお点前を進めます。そこへ種炭が更に大きな音を立てて崩れました。すると音が止み、静かになりましたので落ち着いたのだと思い更に点前を進めます。紙釜敷きを取り出しその上に釜を置きます。崩れた種炭を改め湿し灰をし、その後胴炭を入れました。そして相手炭をおこうとした瞬間だったと思います。一瞬なにが起きたのか分からず、炭が、真っ赤になった炭が、当たり一面飛び散っています。とっさに着物なので襟に入っては一大事と首をかばいましたが、その後は真っ赤になった炭たちをどうしたらいいのか、身動きできずにおりました。 そう、トンでもないことというのは炭の大爆発です。そしてこれがその後の茶室の様子です。写真だと分かりにくいのですが、畳はもちろんのこと、敷居、台目の棚も焼け大惨事です。 呆然とする私でしたが、皆さんが炭を片付けてくださいます。とにかく火を出すわけには行きませんが、水をかけるわけにも行かず、大きな炭から形付け後は濡らした雑巾でふき取ります。掃除機で吸うといわれる方がありましたが、掃除機に火が引火しては怖いと思いました。大体のものを形つけた後で掃除機をやはり使いましたが、案の定、掃除機のお尻から火の粉が飛びました。少しこげた臭いもしましたので、すぐさま掃除機の中のごみを安全に捨てていただきました。 点前座におりました私は奇跡的に着物一枚をパアにはしましたが、やけど一つしていません。きっと強力な何かに守られていたのだと思います。そして今日ふと思い当たることを思い出しました。着ていた着物は前の流儀の時の今は亡き先生が選んでくださった、しかもこの先生が一番好まれたきみどりの着物でした。無地の一つ紋は必要だから、とあまり茶道にも着物にも入れ込んでいない頃の私に購入を勧められた着物でした。その着物をダメにはしたものの私の身には一切炭は飛んで来なかったのです。きっと守っていただけたのです。 不幸中の幸いはどなたにもお怪我がなく済んだこと。ただ、先生のお茶室がとんでもないことに。 せめて畳みだけなら良いのですが、敷居や台目棚までもやられてしまったことが申し訳ないことでいっぱいです。 ちなみに原因は不明です。この場を借りてもしどなたか同じ経験をされた方があれば教えてください。今、原因究明中です。 大失敗の大成功のお茶事、ひとまず大失敗のお話でお仕舞い。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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