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床は薄茶席の際は“和運”の色紙を掛けようと思っておりました。
この色紙は今年の1月6日のブログを参照ください。座右の銘にしておりましたが、お陰でこれまで意識してやってこられました。これからもその気持ちを忘れないように努力して行きたいと思っています。生憎、これは掛けれず、お濃茶席で掛ける予定でした“平常心是道”を掛けました。 また、うちの流儀では書院造りの復興も果たしたようで、家元のお茶会にお邪魔してた折、なぜかお茶とは無関係なものが書院棚にありなんだろうと思っておりましたが、広間に場所を移してそこでは和やかにさり気なく飾り付けをも楽しみながらお茶を頂くようです。それを意識して私も香人形を飾らせていただきました。 これはかぐや姫で丸いお月さんの後ろでお香(現代香)を炊くのですが、そのときに出る煙がいかにも月にたなびく雲のようなのです。この説明にその場にいらした皆さん、ほぉ、と感心してくださいました。この人形はカズ君の字が効いている向付けの器を作られた四日市の作家さんです。 では、薄茶席の当初のお道具組を。 床:和運和運の色紙 釜:竹地文釜 般若勘渓 風炉:色紙釜 般若勘渓 この釜と風炉は昨年の10月6日にも出ています。とっても小ぶりで次の幸来棚にはまたぴったりでした。生憎、この幸来棚は先生のものなので写真が出せませんが、宗慶好みだったかと思います。長板に右端から円を四分の一にしたような扇状の板を乗せる、そしてそれを支える柱3本に朱の房がついています。双方の大きさがぴったりなため、安定していました。問題はこの釜はとても小さいので8名分のお茶を点てるには不向きでした。 そのため途中で湯を注ぎましたが。 棚:幸来棚(上記参照) 水指:御本 清水久嗣 水が入ると肌にある青っぽい自然釉が更に青味を帯びてきます。 蓋置:三つ人形 宗実家元が家元就任の折好まれたもの。 生憎これも先生のものなので写真にできず。家元、そのお父様と家元のご子息三代が揃っていらっしゃるのは珍しいからとそれぞれが手をつないでいらっしゃる三つ人形。その頭に熱い釜の蓋を置くのかと思うとお可愛そうです。いつものぼる話題です。 茶杓:自作 茶器:蔦蒔絵大平棗 福田芳朗 お茶道具屋さんで一目ぼれした一品。蔦の木製ですが、どれほど太い蔦の木なのか、蔦の木を棗にするというだけでもそこそこ太い木を探すのも大変と思いますが、それを大平棗にまでされています。その木地に蔦の葉を蒔いてあります。 茶碗:犬の茶碗 重ね 今回のお茶事で宗磨の世界を上手く、まんまと演出できたものがこのお茶碗でした。 というのも、つねづね茶人とは美味しいお茶をお出しすることが第一と思っているとともに、次にもっとも大切なこととしてお客様を喜ばせること、楽しませること、また自身も含め遊ぶことと信じています。そのふたつを見事に演出できたと思っています。 なぜならこのお茶碗は毎年干支にちなんで和子先生が作られるお茶碗のひとつで、今年のもの。恐らく参加者皆さんお持ちか、もしくはお稽古で使われています。しかし、大きいほうのが一つだけで、決して重ねにはなっていません。 いよいよお茶碗を両手に持ちながら点前座につこうとすると、正客、次客はじめ、驚きとそわそわした様子が伝わってきます。私の心の中は、しめしめ、私の思惑通りだわと楽しんでおります。なんで、あのお茶碗は重ねだったの?と疑問が無音で広間中満ちています。 ひと碗づつ点てながら種明かしをします。和子先生に特別に作っていただいた重ねです。もちろん、和子先生にも今回の道具組みは一切お話をしていません。和子先生は寄付きで作家との付き合い方をお教えするわ、とおっしゃっていたとの事ですが、まさにこういうことを言うのよと皆さんに説明されていました。 皆さんのやられた~という悔しさと、驚きとおかしさを私は胸いっぱいにしながら、宗磨の茶の湯はこれだと自身でもはっきりと分かったのでした。 ちなみにこのお茶碗を少し詳しく説明しましょう。染付け写しとなっており、真ん中にある文字はINU(犬)を型どったものです。桃山の陶器の破片の中にはローマ字が既にあったということです。それを和子先生流に再現されていました。内側の四隅には笑、門、福、来の四文字が書かれ、外側の柄は宝尽くしとなっています。ゆったりとしたお茶碗で好きですが、残念ながら12年後にしか出すのが難しいようですね。 お茶:宗実家元好み 星屑(せいじょう)の白 星野製茶園 お菓子:麩やきの稲穂絵 和三盆の鳴子型 亀広良 さて、次は総括としましょう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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