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さて、昨日までのブログでひと通りのお茶事を連ねてきました。
ここでは総括をしようと思います。 お茶事前日までの準備。 まずはお点前の準備をします。 今回は11月12日なので本来ですと炉でのお点前になるかと思いますが、お道具の組み合わせなど考慮して、ぎりぎり(でも少し遅いかも)風炉でのお点前にしました。 よって、風炉の時期になりましたら薄茶も濃茶も炭点前も本番さながらに練習します。 本番で使う道具組を考える。 そして、できる限り本番で使うお道具と場所でお稽古します。理由はまずはお道具にも特徴が色々ありますから、お道具の癖や注意する点などを理解しておくのです。 今回の組み合わせの場合、濃茶で使用した萩は口縁が山6つあることもあり茶杓が乗りにくいことを知ります。本番で落としたりしないように用心します。 やってみると沢山の発見があります。是非これは順番を覚えるだけの点前でなく、お道具の扱い方を心得ておくためにも、お薦めです。 会記を書く。 何を使うのか、作者の名前を覚えるためにもお道具が決まった時点でまずは下書きが必要。 お茶事でのテーマを確立できると思います。 会席の料理を書き出す。 できれば使う器も書き出すと良いと思います。また、青竹の箸は両細だったり、本節だったり、飯器の中身は最初ひと口、次一人前・・・・等々といった注意書きもご一緒に。 また、お料理はまったく人任せにしてしまいましたが、何か本に載っているメニューであれば、分量が分かったり、作り方がわかるので本などのコピーも必要。 招待状を出す。 ちゃんとした定型というものがあるのでしょうが、宗磨流にお手紙を書きました。 1週間から10日前にはご本人の手元にお届けします。 前日の準備。 食材の買出し。 会席料理の下ごしらえ。米を研ぎ一晩水につける。 蹲(つくばい)を含めお庭の掃除。 茶室を含め使うお部屋の掃除。雑巾掛けも忘れずに。 灰型を作る。 役炭を用意。種炭も忘れずに。 お道具を用意する。薄、濃茶それぞれ違うお部屋であればそれぞれのお部屋に近いところにそれぞれのお道具をまとめて用意する。 お茶を篩う。 水指に水を張る。 替茶碗や替建水、替茶器など予備を用意。 当日の準備。 蹲を改める。手拭きと籠、柄杓を用意。 ぞうりの用意。 床の軸を掛ける、同時に花をさす。 お茶を茶器に入れる。 会席の道具類はそれぞれ洗い、漆の器はお湯につけて温める。 ご飯を会席始まると同時に炊き上がるように用意する。 人の配置。 茶席:お茶事をよく知った方、お詰めにも水屋のことを知った方(兼任も可)をお願いする。 水屋:お茶事を知った半頭をお願いする。半頭は亭主とお客とのやり取りを聞いて判断をされると良いと思う。 今回の例を挙げると会席中、向付に用いた器にそれぞれ違う文字が書かれていたが、4名でしたから5枚目の器には何が書かれているかと聞かれ、茶室を出たところでわかった半頭であれば、入り口のところでもう一枚の器を用意してくれていただろうな、と少し残念でした。(フォローのために、今回は水屋は先生以外まったくお茶事を知らない、数ヶ月前にお稽古を始めたわが後輩でしたので・・・。) 会席料理:今回は破壊行為とおっしゃる2児の母さんがプロ級でした。今後は彼女に続き、先生のお宅のお嫁さんが頼もしい存在になられるようです。感謝。 よって、先生以外でお茶事経験者が正客(1)、お詰め(2)、半頭(3)を含め最低3名、プラス亭主が必要と思います。(お料理は除く) 今後、茶事稽古を重ねるに当たって次のような役割り分担をしてやっていけたら良いと思います。 必ず社中での役割:亭主役、半頭役、お料理班 社中でも外のお客様でも良い役割:正客、お詰め ちなみに私はどの役目でも大好きです。(お料理は更にお勉強が必要ですが)特に今までの仕事柄、裏方の働きが舞台の出来不出来を大きく左右するのも知っています。半頭は一番やりがいのある役割だと思います。ただし、目立ちたがり屋の私は亭主役も大いにしたいと思いますし、お客様にももちろんなりたいと思います。(でも、きっと素晴らしい働きをされる半頭さんの時しか嫌です。自分で働きたくなりますから。) そして大事なことはやはり社中だけでのお茶事はしないこと。せっかく時間をかけて用意するお茶事のことですから、なあなあにはしないほうがいいですね。それには社中だけですと、どうしても甘えが出がち。それに、お稽古お稽古よりお茶事そのものも楽しみたいですから、おひとりでも良いので本当にお客様をお呼びしたら、お稽古というよりお茶事として成り立つと思います。 さて、そろそろ総括も締めくくりです。我が流派の流祖の遺訓、書捨の文を紹介します。 (前略)道具とても さして珍器によるべからず 名物とても 異なりたる事もなく 古き道具とてもその昔は新し (中略)数多きをうらやまず 少なきをいとはず (中略) 一飯をすすむるにも 志を厚く 多味なりとも 志うすき時は 早瀬の鮎 水底の鯉とても 味もあるべからず (後略) まさにその通りだと思います。以前は先代から受け継がれる方を羨ましくも思いましたが、東京の私の憧れのお茶人、久美子さんから”いくら沢山持っていてもお道具組がお下手だなぁ、と思う方もあるし、自分でひとつひとつ集められたもののほうが、心がこもって良いものよ”と言われ、納得しました。それからはむやみに羨ましく思うことはなくなりました。そして、志が厚くなければお料理も美味しくなく、お茶事そのものが大変まずいものになるということだと。 総括終了。 追伸:和歌を詠んで見ようと試みました。上手くはありませんが一句。 付知峡の清流に流れていく紅葉をみながら詠む。 【清流の 行くに身まかせ もみじ葉の 付知の谷の 秋はみちつつ】宗磨 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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