カテゴリ:書評/本の紹介
最近読んだ本で心に残ったものメモ。
「寂庵浄福」瀬戸内寂聴 嵯峨野に結んだ庵「寂庵」での生活を季節ごとに綴ったもの。 季節を感じること、畑を耕すこと、人との縁などの日常。 同居の少女だけれなく、たくさんの人に囲まれて生活している様子が意外だった。 皆で畑を耕したり、和菓子を作ったり、お茶を作ってみたりと楽しそうである。 出家して心に平安が訪れたのは、信仰を得たことだけでなく、こういった生活を手に入れた ことも大きいのではないかと思った。 「月と土」の章に、こんな話が書いてあった。 古代の原始的な人間は、手にそれぞれ霊力を持っていて ・木の手の人間が、稲や草木を植えるとよく育ち ・火の手の人間が、鍛冶をして銅鉄の道具を作り ・槌の手の人間が、陶器を作った 緑の手ってイギリスかどっかでも言いますよね。 「秋麗ら」によると、故郷徳島ではすだちを多用するそうだ。 焼き魚、竹輪、煮物、漬物・・・・。 この秋は、たくさんすだちが手に入ったので、私も真似して何にでもかけてみている。 エリンギを丸ごと、秋刀魚の横で焼いて、すだちと醤油で食べたらすごくおいしかった。 「火の祈り」 「私はどう本格小説に憧れても、本来私小説的発想の作家であり、方法としても私小説的になった時が安定がある」という一文が心にひっかかった。 文章を書いていて、私はどうも「物語」ではなく「自分が経験したこと」を書きたいのだなと感じていたところなので。今後文章を書き続けるにあたって、私小説というジャンルを一度きちんと把握しておかなければと思う。 岡本かな子と小田仁二郎も一冊は読んでおこう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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