テーマ:中国&台湾(3304)
カテゴリ:旅行
ガイドさんは、私たちの荷物を確認すると、早口の中国語でホテルのドアガールに何やらいいつけ、大型タクシーを呼びました。
RV車のような大きなタクシーが、普通のタクシーを押しのけてホテルの前に横付けされます。 ガイドさんは、このタクシーに私たちの荷物ともう一組の荷物を入れると、私たちに「あなた達はこのタクシーに乗ってください」と指示します。 もう一組のご夫婦は別のタクシーに乗せられている様子。 はっきり言って何がなんだか分かりませんが、自分たちの荷物と一緒だからまだ安心です。 ガイドさんの胸元にJTBのバッジと予定表に書いてあったガイドさんの名前があるのは確認済み。JALのWebチェックインもしてあるので、いざとなれば空港までタクシーで行き、帰国後JTBに請求すればよいと判断。 しばらくすると助手席にガイドさんが乗り込み、運転手さんに早口でいろいろと説明します。 運転手さんも面食らっている様子で、ガイドさんにいろいろと質問していましたが、次第に事情が飲み込めたみたい。 よく見ると、このタクシーはいろんな飾りがついていますが清潔で、運転手さんも信頼できそうな面持ちです。運転手さんとの交渉が成立したのか、運転手さんがメーターをとめる頃、ガイドさんの携帯電話が鳴り、何やら早口でやり取りを。「XX?!」とあきれるようなため息もついています。なんだか大変そう。それが終わると、ガイドさんは私たちに説明を始めました。 ・手違いで、バスがまだ来ていないこと。 ・今日はこれから2箇所のホテルでお客さんをひろった後、免税品店に向かうこと。 ・免税品店から空港へはバスで行く予定であること。(多分、と弱気。) え、タクシーであと2箇所もホテルを回るの? 「ガイドさん、大変じゃないですかー!」と私は同情気味にコメントしたのですが「いえいえ、本当に手違いで申し訳ありません」と必死に謝るガイドさん。 すかさず友人Iが「でも、ガイドさんのせいじゃないから気にしないでください」とフォロー。私も「そうそう、バスよりタクシーの方がいいですよ。この車、とても乗り心地がよいです。ねぇ」と加勢します。「そうそう」と相槌を打つ友人Iの言葉を聞きながら、ガイドさんは私たちの言葉を運転手さんに通訳。こわもての運転手さんがニヤリとしました。 車内の空気が落ち着きかけたところで、すぐに次のホテルに到着しました。 ガイドさんは助手席から飛び出して、次のホテルのお客さんの元に走ります。 もう一組のご夫婦を乗せたタクシーは事情がよくわからないみたいで、お客さんを降ろしてしまいました。もう一人の運転手さんに、私たちの運転手さんが事情を説明しています。 私も戸惑うご夫婦に私も声をかけました。 「なんかバスが来ていないとかで、タクシーでホテルを2つ回ってから免税品店に行くみたいですよ」。 ガイドさんは、新にタクシーを捕まえて私たちのタクシーを指差して説明しています。 「あのタクシーについて来て」と言っている様子。台北のタクシーはどれも黄色いし、ホテルの前にはたくさんのタクシーが停まっているので分かりにくそう。とっさに「これですよー」という意味をこめて大きく手を振ると、新たな運転手さんもお客さんも分かったようでほっとした表情になりました。 再び私たちのタクシーに乗り込んだガイドさんも「手を振っていただいて助かりました」とうれしそう。私達、ナイスプレーなんじゃないの? 車内にはちょっとした連帯感まで芽生えてきて、次のホテルに向かいます。ガイドさんが細かく路線を指示していると、次のホテルにはすぐに着きました。 「また説明しなきゃいけない!」「大変~」と私たちがからかうと、ガイドさん運転手さんに通訳しつつ「本当に大変です~」と親しみを表現。でも直後に「でも、私たちの会社の責任ですから」と優等生コメント。トラブル対応としては満点の対応です。 運転手さんもついに声を出して笑うようになりました。 免税品店に着くとと、全部で4台のタクシーから荷物を降ろして、ガイドさんが料金を支払います。あからさまに文句を言う運転手さんもいる中、私たちの運転手さんは黙々と荷物を整頓してくれています。どうやらガイドさんが免税品店に私たちを案内する間、運転手さんが荷物の管理をしてくれる様子です。きっとこれまでのやり取りから、ガイドさんはこの運転手さんを信頼するに値すると判断したのでしょう。 急こしらえのチームはここで解散。運転手さんに「よろしくお願いします」と礼をしてお別れです。 台湾のタクシーでは領収書を見かけませんでした。あのタクシー代はガイドさんの自腹なのか。それにあの慌てっぷり。多分急遽バスを呼び寄せているんじゃないかと私は邪推。 エバーリッチ免税品店では、約45分間のお買い物時間がありました。 でもここ、店員さんも熱心じゃないし、品揃えも価格もはっきり言ってイマイチ。 私は夫に頼まれたTSUMIのバッグを見つけたのですが、夫が指定した値段よりもうんと高い。店員さんは「日本で買うより安いです」というのですが、ネットで買ったほうがうんと安いです。化粧品も同様。 たくさんの人が連れてこられていますが、誰も買い物をしていません。 かろうじて中国人観光客と思われる人がお菓子を買っているくらい。 店内にソファーもないので、風邪気味の私はふらふらです。 仕方ないので、開店休業状態の「中国茶の試飲コーナー」に陣取りって「これ、試飲できるんですか?」とずうずうしくアピール。私が中国茶を頂いていると、はしっこに座っていた韓国人のお父さんにも中国茶が振舞われました。それにつられて、関西からこられたという年配のご夫婦がとなりに座ってくださり、ずいぶん気が楽になりました。 店員のお姉さんは丁寧な手つきでお茶をいれてくれましたが、セールストークは一切なし。すぐに他の店員さんとのおしゃべりに戻っていきました。 この免税品店、経営は大丈夫なんでしょうか。 集合時間になると、程なくツアーメンバーがそろいましたが、ガイドさんは落ち着かなさそう。お店を出ても、案の定バスが来ていません。 荷物も見当たらないし、どうするのだろう。普段の私なら、気の効いた質問をひねり出して場を持たせてあげるところですが、風邪で頭が動かない。じりじりと時間が過ぎていく中、ようやくバスが到着しました。 「荷物は既に積んであるから、大丈夫。乗ってください」とガイドさん。友人Iが「自分の荷物を確認したい」と申し出たのですが「大丈夫です」と取り合ってくれません。 どうも時間がかなり押している様子です。 慣れない様子の運転手さんに、またまた車線を細かく指示するガイドさん。 「これは絶対にバスの配車ミスだよ」「荷物大丈夫なのかなー」とひそひそ話す私達。 バスが高速に乗ったところで、ガイドさんが「あらためまして、ガイドのXXです」と挨拶をはじめました。 タクシーチャーターツアー開始から約2時間後に、ようやく名乗って挨拶です。 「ふふ、今頃名乗って挨拶してるよ」「でも私たちはタクシーの中で説明聞けたからよかったけど他の人たちは不安だろうねぇ」「だって私たちはホテルも最初だったし、遅刻もしていないから当然の特権よね」「そうだよね、それに私達ナイスプレーだったよね」とほくそえむ私達。 普通なら「かったるいー」「時間の無駄ー」となりがちなホテルピックアップと免税品店めぐりも、アクシデントのおかげでなんだか楽しく感じました。 高速道路で「バスの非常口などの設備点検」で止められ、係員が乗り込んできて検査がありましたが無事パス。「適当なバスで妥協しなくてよかった」とガイドさんが思ったどうかは定かではありません。 娘さん夫婦とお孫さんと参加していた初老の男性が、一番前の席に座り、背筋をまっすぐに伸ばしていろいろなものを興味深く見ていたのが印象的でした。短く刈り込んだごま塩頭から察するに何かの職人さんなのかしら。無口な彼も「何ですか?」と質問するぐらい、バスの点検は物々しかったです。 なんとか出発の2時間前に空港へ到着。カウンターは空いていますし、既に席も確保してあるので私たちは一安心。 日本語が上手な係員の人が手早く手続きをしてくれ、すぐにチェックインが終わりました。 友人Iが「cha_wannyがやってあってくれたから、私達一番に手続きが終わったよ。ほら、一番乗りー」とおだててくれます。 私もガイドさんをねぎらわなくっちゃ。 あ、いたいたガイドさん。楽しかったですよ。アクシデントも楽しめました。 口々にお礼を言いますが、それでもガイドさんは「いえいえ、本当にすみませんでした」と謝ります。えい、こうなったら。 「アンケートにガイドさんがよかったって名前入れて書いておきますよ。」 このセリフでようやくガイドさんの顔も明るくなりました。「本当ですか?」「本当ですよ、絶対に書きますから」と約束して、お別れを。 きっとこれで彼は今夜の夕食を楽しめるでしょう。友人Iが「アンケートに反応したねぇ」と驚いています。そりゃそうだよ。サービス業なんだもん。きっとアンケートで成績が違ってくるんだよ。 という訳で、帰国後ちゃんとアンケート書いて出しましたよ。本当に素晴らしい対応だと思ったし。 出国審査は無事、パスポートを破られることなくパスして、出発まで約1時間の自由時間。 出発ゲート近くのマッサージ屋さんで、30分600元(約1800円)の上半身マッサージをやってもらいました。 ここはハンディキャップの方たちのお店。前回この空港を訪れた時にもやってもらったのですが、好評なのかマッサージスペースが拡大していて、通路のようなところで公開マッサージ。 私は特に左肩が凝っていて「ゴリゴリしてる」と言われてしまいましたが、上手で気持ちよかったです。 市内のマッサージ店に比べたら少し高いけれど、空港にしては良心的な値段。最後に白湯のサービスもあります。 あまったお金を使うべく、85℃で「ジンジャーミルクティー」やエビアンを買うのですが、使い切れません。既に疲労で判断能力をなくしている私に、友人Iがさかんに「無理して使わなくても、両替すれば」と言います。そこで、彼女に紙幣を全て渡して、「マッサージ店の前にあったインフォメーションカウンターでBANKはどこだと聞いて行って来ておくれ」とお願いしました。はじめてのお使いNo2です。 ぼーっとベンチに座ってジンジャーミルクティーをすすりながら(体があったまるので、私はこれを家でよく飲みます。このメニューが季節限定であって本当によかった)、「あれ、再両替って両替した時の領収書がいるんじゃなかったっけ・・・しまった」と心配していたのですが、搭乗時間間際に彼女は無事戻ってきました。 しかも、おつりでもらった小銭を使い切るべく、パイナップルケーキとミルクタフィーまで買って来ているではありませんか!すごいぞI、なんて機転が効くのかしら。 「勝手に買ってごめんねー」と謝る友人Iが、とても神々しく見えました。 JALシートNo22は、窓のない席ですが前方席。 毛布もまくらもきちんともらえて、食事も早々に出てきます。雑誌も、週刊文春・週刊新潮・AERAなど各種充実。 2時間半のフライトで、ドリンクサービス・食事サービス・免税品販売と手早く確実にサービスをこなすキャビンアテンダントさん達は頼もしい。特に大人気の免税品販売は、商品を曲芸のようにやりくりして、笑顔を絶やさないままで次々と販売してゆきます。 ユナイティッドのCAさんが見たら腰を抜かすだろうと思いつつ、私も最後の気力をふりしぼって、夫へのお土産で某ブランドのネクタイを購入しました。 友人Iと旅を振り返りながら、「次旅行に行くとしたらどこがいい?」などと今後の話もして、3泊4日の旅は終わりを告げました。 (旅行はここで終わりですが、後日談へつづく) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
January 15, 2009 05:41:49 PM
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