テーマ:京都。(6100)
カテゴリ:旅行
宿泊したホテルは、ささやかな年越しイベントを数多く用意していた。
まず、チェックイン時に和菓子のプレゼント。外国人観光客にはたまらないだろうな。 大晦日は、ロビーで年越しそば(\600か\800)の振る舞いと、大スクリーンでの紅白放映。樽酒の振る舞いも。元旦と2日の朝食はおせちバイキング。それとは別に10:30から「餅つき大会」が。 隣接するショッピングモールで初売りを楽しんだ後に、餅つき大会に行ってみた。 そうしたら、初老の方々で大行列。どうも「ホテル独自の催し物」ではなく、「地域の方のイベントにホテルも協力」しているらしい。 私の後ろに並んだおばあさんは強烈な方で「さっきのはまだ米粒が残っていておいしくない。去年はそれほどでもなかったのに。あの人とあの人はまた並んでいる。タダだから並ばないと損だ。私も今年は3回は並ぶ」とお仲間にしゃべり続けている。「お一人様1回でお願いします」と呼びかけがされているのに。 京都の女性もいろいろなんだなぁと、当たり前のことを改めて思う。 お餅は、ぜんざいかきなこ餅が選べたので、ぜんざいにしてもらって朝食代わりに。 お腹が満たされたところで、さっそく初詣に出かける。 目指したのは、ホテル近くにある下鴨神社(正式名称は賀茂御祖神社)。世界遺産の糺の森は、住宅地の中に忽然と、でも悠然と存在している。森見さんの小説では古本一の会場として度々登場する場所だ。 高野川の川縁をのんびり歩きながら、下鴨神社へ向かう。 商店はほとんど閉まっていて、あいているのはコンビニくらい。 犬のお散歩をしている人、既に初詣に行ってきた人々とすれ違う。 小さなアパートと大邸宅が混在する不思議な住宅地エリアを抜けて、下鴨神社へ入る。 観光客らしき人は少なく、地元のご家族連れと思われる人々で、活気のあるほどよい混雑ぶり。 着物の人もちらほらいたのだが、私の後ろにいたご婦人が「京都も正月に着物を着る人が減ったねぇ」と話していた。 さすがに本堂前は大混雑だったけれど、なんとか参拝。 神社の公式甘酒茶屋(?)で甘酒(¥300)をいただく。 葵のマークがかわいらしい。 甘酒屋の前に、お守り販売所があった。 元旦の午前中に購入したお守りって御利益ありそう。 自分用に「婦人の願いを叶える」というお守りと、友人のおみやげ用にいくつかお守りを選ぶ。 下鴨神社は縁結びの神様としても有名で、真剣にお守りを吟味する乙女の姿を複数見かけた。皆に幸あれ。なむなむ。<-森見風 ほどよく個性的な屋台の中から、さつまいもスティック(\300・フライしたサツマイモに砂糖をまぶしたもの)を選んで、それを食べながら境内を散策。 境内ではさりげなく小川があって水が流れていたり、サッカーの神様がもいらしたり、興味深かった。 神社を出ると、鴨川デルタが! ここは四畳半神話大系で、繰り替えし「新歓コンパ」の会場として登場する場所。思わず記念撮影。 お昼はすぐ近くにあるカフェのロフト部分で、九条ネギのオイルパスタでランチ。 ここも四畳半神話大系に登場する喫茶店。窓からは鴨川デルタが見られて、森見ワールド全開。 料理は手が込んでいるのだけれどセルフ形式でお値段は手頃。学生に愛されそうなお店だなと思った。元旦に営業していてくれてうれしい。 雨が降ってきたので、バスで移動。 次の目的地は六波羅蜜寺。ここであるお茶ををいただくのだ。 「大福茶(おおふくちゃ)」といって、年初に梅干しや結び昆布を添えた祝い茶を飲む風習があるそうで、その起源となったのが六波羅寺らしい。 日本茶インストラクターのテキストで、京に蔓延していた疫病を退散させるために六波羅寺の僧侶が民衆に振る舞ったとか、天皇も飲んで全快したことから「王服茶」とか「皇服茶」とか言われるようになったとか書いてあった。 一度飲んでみたいものだと思っていたところ、六波羅蜜寺では正月の3が日に「皇服茶」が振る舞われるという情報をゲット。さらに、先着千名様に稲穂が無料配布されるとか。 いそいそと足を運んでみた。 皇服茶は1杯300円で無病息災のお守りつき。稲穂は一家族1つまでで、稲穂自体は無料だけれど、絵馬や俵の飾りは有料(1つ\300から\800)。 「タダより高いものはない、やなぁ」と後ろにいたご夫婦が揶揄していた。内心同意。 皇服茶は薄い番茶のような味の中に、梅干しの酸味と昆布のグルタミン酸が少々感じられた。 疫病に苦しんでいた人々は、梅干しの殺菌作用とアミノ酸で疲労回復したのかなと想像。 六波羅寺は七福神めぐりにも参加していて、団体ツアーのお客様や、一人で七福神めぐりをしている若い男女でもにぎわっていた。 寺院も営業努力が重要なのだよなぁ、京都だと競争相手も多いから他社との差別化が重要なのだな、と年初なのに生臭いことを思う。 さて、まだ時間は正午。 せっかくここまで来たのだから、と清水寺を目指す。 元旦の清水坂は大混雑。無謀にも車でやってきた他都道府県ナンバーの車で大渋滞しているところに大量の徒歩参拝客で大混乱。バックパッカーっぽい外国人観光客が目を丸くしている。 帰りに通った「茶わん坂」の方が空いていた。お子様連れの方にはこちらがおすすめ。 清水寺の境内も、こんな感じ・・・。 人混みを我慢しながら、なんとか「地主神社」にお礼参り。 その昔、ここには高校の同級生と4人でお参りに来た。当時私は結婚願望がなかったのだけれど、熱心に参拝する友人につられて、つい「いいご縁に恵まれますように、かな。あ、でも今の彼氏と別れるのも大変だから、今の彼氏と結婚できますように」とお参りしてしまったのだ。そしたらその後、プロポーズされて結婚することに。 そんな訳でその相手である夫を連れて、お礼参りに来たのである。 地主神社の境内には、願いが叶ったお礼の奉納がたくさん掲げられていた。名前と住所がかかれているのだが、イギリスやブラジル・アフリカの女性の名前もあった。 ほーと感心して見ていると、パンフレットが手渡される。それによると、ご両親が遠隔地から郵便振り込みでご祈祷を依頼することもできるらしい。 ネット時代&婚活時代にも上手く対応して、地主神社も手広くやっているなぁと感心した。 ホテル近辺の北白川近辺と異なり、清水寺近辺は、さすがに開店営業率が高い。 五条通で、おっかなびっくりうどんやさんを偵察する白人旅行者を尻目に、お好み焼き屋さんを選んで遅い昼食。あれ、お昼はパスタを食べたんだっけ。 九条ネギたっぷりのネギ焼きがおいしい。 参拝三昧、ネギ三昧の初詣だった。 さすがに疲れたので、一旦ホテルへ戻ることに。 (つづく) 森見さんの「四畳半神話大系」は文庫も出たみたいです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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