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March 26, 2007
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カテゴリ:to kill time







目が覚めた時、思わず携帯電話の着信履歴を見てしまった。










時々、だいぶ前に見た『夢』の続きのようなものを見ることがある。










その夢をいつ見たのかは、もう覚えていない。
しかし、妙な夢を見たな、と強く思ったことだけはよく覚えている。










その夢の中では、私は3年前に辞めた会社に勤めていた。
季節は確か冬。舞台は、恐らく忘年会であろうと思われる飲み会。
そして、何故か私は一人で、その忘年会で幹事を務めていたのだった。
二次会で訪れたスナックで、私をはじめとした会社の人間全員がビンゴゲームを興じていた。
私は、あまり好ましくないと思っていた男性とコンビを組んでおり、その人とビンゴカードを眺めていた。










ゲームが進むにつれて、白熱する会社の人達。
出される商品が異常なほど豪華を極めていたからだった。
どんなに周囲が興奮していても、その男性はいつも変わらなかった。
軽蔑でもしているような、冷ややかな目でビンゴカードと周囲を見詰めていた。











「うわっ!凄いじゃないですか!!
この列が揃ったら、坂田さん達、あれが貰えるんじゃないんですか!?」

「…そうやろうね」










その男性…坂田さんの何処を好ましくないと思っていたのかは、もう覚えていない。
しかし、坂田さんの近くに行くと、何日も風呂に入っていないのではなかろうか?
と思ってしまうほど体臭がキツかった、ということだけは、今でも強烈に覚えている。
仕事には真面目な性格らしく、余程のことがない限り、いつも最後の一人になるまで残っていた。
何かあれば間に入って話をしてくれ、無責任な発言をする面子が揃った中で、一緒にやり易い方だった。
それなのに、数少ない…数名しか居ない女性社員から彼は、一緒に仕事をする時以外避けられていた。
恐らく独特な雰囲気とキツい体臭が、女性から遠ざけられる原因だったのではないのだろうか…
そんな彼とコンビを組み、周りから冷やかされながら、私は嫌々ゲームに参加していたのだった。
(文章にしてみて、私も他の女性社員のようにそこを好ましくないと感じていたのだろうと思った)









結局、商品は貰えず、ビンゴゲームの終了と同時に二次会もお開きとなった。
そこで事件が起こったのだった。










ゲームの参加費用が馬鹿高い。一人当たり10万円。
会社の人間全員が参加していたから、参加費用は300万ほど。
商品が異常とも思えるぐらい豪華だったのは、その参加費のせいだったのだろう。
支払うように詰め寄る店員に、そんな金額支払えません!と言ったところで、目が覚めた。
それが、だいぶ前に見た『夢』。










今朝見た『夢』は、その続きだった。










既に忘年会から一月以上も経っているらしかった。
あんなことがあったのもすっかり忘れて、私は忙しく仕事をする毎日を送っていた。
そんなある日のことだった。見覚えのない一般番号から、携帯電話に着信があった。
仕事中だ。出られるわけがない。それなのに、秒刻みで何度も何度も同じ番号から掛かってきた。
あまりにしつこく電話が掛かってくるので、デスクから離れ、電話に出ることにした。いつかの店員だった。










「アンタ、いつまで支払わない気でおるんか!?
利子がついて支払額が1000万をとっくに超えとるよ!!どうする気なんか!?」

「はぁっ!?
1000万!?たった一ヶ月でそんなに利子がつくわけないでしょ!?訴えますよ」

「支払う気がないんなら、アンタをバラして内蔵をうっ払ってでも金を作ってもらう」










店員のその言葉に怖くなった。
誰にも相談出来ずに、仕事を終えた私は嫌な気持ちのまま帰宅した。










「ただいま」










午後9時。
家族が居るはずの家の中が、シンとしていた。
その代わりに、むせ返るほどの生臭い血の臭いが家の中にたち込めていた。










「!!」









居間では、父と母が無残な姿で倒れていた。










「理は!?弥は!?」










慌てて二階に駆け上がる。
しかし、それぞれの部屋で、変わり果てた姿をした妹達の姿が…









「なんで?
誰がこんな酷いことを…」









パニック寸前のところに携帯電話が鳴った。
非通知着信―










「もしもし?」

「アンタだけじゃ足りんやろうけ、家族も殺ってやったよ」

「お父さんやお母さん達は全く関係ないでしょ!?」

「次は、アンタの番だ」










「今、何処!?」

「アンタの直ぐ後ろだよ」










振り返ると、鉈と携帯電話を握った坂田さんの姿が…









「坂田さん!?
なんで!?どうして!?」










そこで目が覚めた。









冷や汗なのか、暑かったせいなのかは分からないが、目が覚めた時、汗でビッショリ濡れていた。










夢とは分かっていながらも、枕元の携帯電話に手を伸ばす。










「やっぱり夢か…」










『夢』とは分かっていながらも、ついつい確認を取ってしまう。
そんな経験、皆さんにはありませんか?










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Last updated  March 26, 2007 05:51:51 PM
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