|
カテゴリ:カテゴリ未分類
なかなか治まらないせき・痰・微熱……、仕事や子育てが忙しいと、つい自分の健康管理は後回しになってそのまま放置しがちだ。
けれどもこれらの症状、もしかして「結核」の症状かもしれない。 □もしかしてこれ、「結核」? 世界で今猛威を振るっている結核感染 結核は今、世界で猛威を振るい、世界保健機構(WHO)も声明を発表して危機感をにじませる。 結核はもう「過去の病気」となったはずの日本もその例外ではない。 急拡大する結核感染の実態を調べてみよう。 □「結核」 インド、中国で耐性菌拡大 エイズを抜いて感染症として最多 2014年に結核が原因で死亡した人は全世界で150万人に上り、エイズを抜いて全ての感染症の中で最多となった。 年間新規患者数の37%に当たる約360万人が治療を受けられずにいる一方、不適切な治療により主な薬が効かなくなる多剤耐性結核がインドや中国などで拡大し、深刻な問題となっている。 □日本でも。警視庁渋谷署員19人も次々と結核に感染 結核は、何も外国だけの話ではない。 日本でも、警視庁渋谷署では2015年末から2016年4月にかけて、留置などを担当する署員19人に結核の感染が相次ぎ、6人発症・3人入院という大事となった。 同時期の2015年2月、渋谷署に詐欺事件で留置中の60代男性が体調を崩して病院に搬送後、肺結核で死亡している。 同署はこの男性と集団感染との因果関係と感染拡大の経緯を調べているが、結核感染は我々のごく身近な所に潜んでいるのだ。 □結核は過去の病気? いえいえ、欧米に比べて結核罹患率の多い日本 日本は欧米各国に比べて結核にかかる人の割合が高く、年間約2万人が発病している。 かつての日本で結核は「国民病」で、昭和10年から昭和25年までは死亡原因の第1位だった。 WHOが結核の蔓延度を3段階に分類した区分で、欧米先進国の多くは人口10万人当たりの罹患率は10を切る低蔓延国に当たる。 しかし日本は、2014年の罹患率が15.4と中蔓延国に当たり、「毎年2千人が亡くなる」まだまだ侮れない病気なのである。 □結核の症状はどんなもの? 初期症状は風邪と似ている 結核の初期症状は風邪とよく似ていて紛らわしい。 咳や発熱などの症状は出ても急激に症状が悪化しないで、緩やかに症状は進んでいく。 空気中に漂う結核菌に感染しても、潜伏期間があってすぐには発病しない。 中には感染後6ヵ月から2年経ってから発病する人もいる。 感染してもきちんと免疫が働いていると結核菌が休眠状態になるからだ。 □2週間以上咳や痰が続いたら注意 結核の可能性も? しかし、2週間以上咳や痰が続いたら要注意だ。 咳や痰と共に結核菌を体の外に吐き出す「排菌」という状態になっていると、周囲の人に感染させてしまう恐れがあり、本人も入院して治療を受けなければならないからだ。 □正しい服薬が治療の要、きちんと最後まで飲みきろう 結核治療の中心は服薬治療だ。 2種類以上の薬を毎日半年ほど中断せずに飲み続ける。 1ヵ月ほどで症状は治まるが、安心して中断したり、指示通りに薬を飲まなかったりすると、治療薬の効かない耐性菌が出やすくなる。 インドや中国で結核が猛威を振るっているのはこのためだ。 日本では、薬の飲み忘れを防ぐために医療関係者の目の前で患者さんに薬を飲んでもらう取り組みもされている。 □進む結核患者の高齢化と患者数削減の取り組み 日本で結核患者が多いのは、高齢者の増加によるところが大きい。 がんや糖尿病、高齢などが原因で免疫の働きが低下して、かつて結核菌に感染していた人が発症することがあるからだ。 実際、2014年に新規登録された患者の7割は60歳以上だった。 □乳幼児が結核に罹患すれば重症化も この年代の孫世代にあたる乳幼児が罹患すると、結核は重症化しやすいので注意が必要だ。 厚生労働省などは、2014年に「ストップ結核ジャパンアクションプラン」を改定、東京五輪の2020年までに「結核低蔓延国」を目指すとしている。 かつて不治の病として恐れられた結核は特効薬で鎮静化された。 治療薬を残すためにも正しい知識の取得と服薬の励行を心がけたい。 2016年6月10日(金)18時0分配信 CIRCL お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2016.06.11 13:29:48
コメント(0) | コメントを書く |