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Chesapeake's ワシントニアン日記

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2005年01月08日
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テーマ:海外生活(7777)
カテゴリ:Et cetera
今夜は夫の仕事先のホテルのパーティー。
金曜の夜であり、始めてベビーシッターを雇ってお出掛けにワクワク胸を膨らましていた。有名なフレンチシェフの料理にワイン、格別なデザート。

仕事で7時くらいまで時間を潰し、メトロでFarragut North駅まで20分。
Kストリートと17th ストリートの角で車で来た夫と待ち合わせ。

ホテルにつくまで車の中では二人で夜出かけるのは不思議だ、などと話していた。
だが、着く直前、携帯に電話。

今ニューヨークで一人旅をエンジョイしている親友だった。時間でいえば、NBAのNJネッツの試合を見にマンハッタンからバスにのってニュージャージーのコンチネンタル・アリーナにいっているはず。「もしもし?」なんだか頼りない声。

アリーナ直行のバスにのるはずだったのが、違ったバスにのってしまい、運転手にどこか下ろされた挙げ句、財布もバスに落としてしまったらしい。今どこにいるかも分からず、一銭も持っていない。

それを聞いて私は顔の血がサーっとひいた。
彼女は旅慣れているわりには英語があまり出来ないのである。

試合のチケットはもっていても、現金がなければ、どこにも行けないし、帰ることもできない。こちらから現金を用意するにもすぐには無理だ。タクシーをこちらから依頼するにも場所が分からないのである。

会話中、バス停にいた黒人のおばさんが、やってきたバスに乗るように催促しているという。とりあえず乗る様子だったが、これから夫のホテルに着くからなるべく何か対策しておく、変なことになったらすぐ携帯に電話をするようにと言い残し、切った。

こっちは気が気でなかった。ホテルについてからはパーティーに行かず、夫のオフィス直行。電話でいろいろ乗っていたらしいバス会社に忘れ物の問い合わせ。そして携帯から親友にかけようと思ったら、なんと国際番号にはかけられず、新しいコールサービスを足さなければならないと伝えられた。夫はすでにかなり動揺していたが、彼には出席しないと面子が、ということで私はロビーでひたすら携帯で電話。

運悪いことに私の携帯は今にも電池が切れそうであり、親友がかけてくるのじゃないかとハラハラしながら夫の携帯で手続き。30分後、手続きはとれたが、今度は彼女の電話につながらない。きっとレセプションの悪い場所にいるのだ。レセプションの悪い場所→どこか遠い場所→携帯盗まれた→誘拐された、などと考えはどんどん暗い方向へ。

友人の居場所が分かり次第 出来る事はとりあえず2項目:
● ホテルの従業員の知り合いがちょうど彼女の泊っているホテルのコンシェルジュを知っていて現金を用意できる。
● 先日の日記に書いた友人のクリスタルとノーマン夫婦が金曜の夜だというのに、ちょうど家にまだいて、彼女を迎えにいくことが出来る。

連絡がとれない間は仕様がないのでとりあえず私もパーティーへ。
動揺していた割にはその場では割りきることができ、食事はエンジョイできた。

となりに座っていた新米のオーストリア人のローマンとガールフレンドのドイツ人のニコールと知り合えた。 美味しい赤・白ワインを頂きながら、私は幼いころドイツに住んでいたことがあり、スイス・ルクセンブルグ・ベルギー・オランダにも行ったことがある等と話した。大学時代に行きそびれたウィーンのモーツァルテアムは残念だったと話すと、ローマンは遊びにきたらアパートに泊っていいよと言った。

オードブル・サラダ・メインコースが終わったころに夫の携帯からもう一度電話。留守電にメッセージを残していると、私の携帯が鳴った。彼女だ。

案の定、親切な黒人のおばさんが5ドルを貸してくれ、マンハッタン行きのバスの中で日系の男性がバスの運転手といろいろ親切にしてくれたらしい。今地下鉄でホテルに帰る途中らしい。そして、財布は運良く見つかったらしく、翌日バス・ターミナルに取りに行けとの心遣いまで・・・。

ニューヨークの物騒なエリアでの迷子と財布の紛失。彼女が無事にホテルにもどったとしても財布など戻ってこないと確信していたが、人々の親切さには驚くばかりである。

良いニュースだったこともあり、後半に差し掛かっていたパーティーではコーヒーを呑み、スタッフとゲストが混じったダンスフロアで少し踊ってから帰った。先ほどまでの友人が困っているのにパーティーに来ている自分の後ろめたさも無くなっていた。そして、家ではベビーシッターがケイちゃんとまだ起きていたが、ここでは何事もなくリラックスした夜だったようだ。

こんな大変なことになるなんて思ってもいなかったのだが、一人旅していた彼女は自業自得だ、と話していた。こんな破目にあったのも私が同行しなかったからだと少々反省したのは言うまでもない。

携帯電話というものがなかったらどうなっていたことやら、と思うと悪寒が走る。

(財布を取り返すという作業がまた別のストーリーなのだが、それは続く。)





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Last updated  2005年01月10日 10時37分50秒
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