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カテゴリ:6-2・指導(家庭練習)
生徒がピアノをやめてしまう時、それはそれは、とてもさみしい気持ちになります。
その理由が 「引っ越し」「経済的な理由」「就職で時間がまにあわない」・・ など、どうにもならない物理的なことなら、さみしくても 「また新しい場所でもピアノ続けてね」 「また、働くようになったら自分で習いに来てもいいしね」 「もし、休日とか時間取れるようになったら、たまにはおいで~」 なんて言って、送り出す事もできます。 一番ショックなのは、こんな理由は特にないのにやめてしまう場合。 そんな時は、すご~くレッスンを振り返って反省したり、何がいけなかったのか?何を提示してあげればよかったか?とか、沢山沢山悩みます。 ~現在高校2年生(当時小学5年生の女の子)~ 充分お母様と、連携できていると思っていました。 気になる日常のピアノの様子は、たまにお母さまからもメールを頂いて、その都度一緒に考えたりしていました。とても私にとっては理想的にレッスン進められていたように感じていました。 ただ、お母様は、すご~くすごく熱心なかたでした。 その子は、多分、学校のクラスの中で1番か2番目くらいにピアノが弾けて、よく学校内でも披露する事があるそうです。 お母様同志でもピアノは話題にのぼり、どうやら、そのお友達が毎日ピアノを練習しているらしく、愕然としたらしいです。 同じくらいに上手だと言われていた子ども同士ですから。 それから、本人に毎日毎日 「1日○時間は練習しなさい」「○回は弾かなくては上手になれない」 と、口うるさく注意したようです。 しかも、市販されているピアノ上達のマニュアル本的なものも購入され読んでみると、やっぱり、練習が大切とたっぷり書いてある。 そのお母さまの気持ちの変化は、私に伝えてくれていませんでした。 突然 「先生、娘は家で練習をほとんどしません。ですから、少しの間レッスンをやめて、練習する気持ちが出たら習わせようと考えているのですが・・だいたい練習全然しないでレッスンに行く時もあって、先生に申し訳ないですし・・・」 寝耳に水でした。 誰にでも中だるみもあるし、練習もきちんとしないときもある。 彼女は、最近中だるみかな?の感覚はあっても、宿題はかならず目を通してきている優等生。 小さい時から、ずいぶん賢い子で、カンがよく、いろんなパターンの課題をさせてもがっちりついてきてくれて、楽しみの生徒の一人でした。 いわゆるコンクール、発表会、グレードも順調以上に成績を残しています。 やっぱり寝耳に水です。 お母様とじっくりお話しできる時間を作り、私からみたら、お母様のあせりと、お母様にとって目に見える「練習風景」を家庭でも披露してほしい。という風に感じました。 また、ピアノ練習のマニュアル本は良くも悪くも・・ 専門家が書いた本も多く、理想が多く書かれている事も実際多いです。また、ピアニストが書いた本と指導者が書いた本、専門家を教えている指導者が書いた本と一般の子を教えている指導者が書いた本では、内容も変わってきます。 1冊読んだだけでは、なんとも参考にはどうか?思います。 そこで、私の持っている数冊の本の練習についての色んな人の意見の抜粋をコピーして、またその子と一緒に発表会にでているお姉さん達の過去の練習事情をまとめて、参考にお知らせしました。 結局お母様はご自分があせってしまった事に気づかれたらしく、次の週にはいつもの元気なお母様に戻られていました。 結局その子はピアノが好きなので、おかあさんの 「練習しないならピアノやめるよ!」 には、「おどし」としか感じてなく、何事もなかったかのようです。 「なんか最近お母さんうるさかった」 とのんびりしたもんでした。 お母様の「家庭練習」の不安に気づけず残念でした。 その子はとても上手なお子さんです。当時、音大付属の音楽教室にはいっても、やっていけそうな子でした。ただお母様はそういう望みはなく、娘が楽しくピアノが弾けて将来教養のためにも、・・とがつがつとした考えはお持ちではありませんでした。 家庭練習は大切ですが、家庭練習が目標になったら、 「○回ひいたらいいや」 となりかねません。 確かに、この部分の駆け引きは難しいですが・・・。 お母様は、全然家庭練習やっていない。なんて言われてましたが、 「全然」 にも、幅があります。 彼女は結構やっている方にはいるのですが・・・ 個人レッスンの場合、誰かの様子を見る事も少なく、比べるものがない分、お母様にとったら、 「家庭練習」が娘の上達のバロメーターでもあります。 何時間でも弾いていたら 「よく練習している」 と感じるのも無理はないと思います。 お母様の不安な話と向き合えて一緒に話せてよかったと思います。 完全にお母様の考えすぎで空回りのような状況にさえ感じましたが、家庭練習について、もっとお母様としっかり話す機会があれば・・と反省しました。 その時のお母様は 「○時間弾く、○回弾く」という事に一番関心がありました。 そうではなくて、はじめての楽譜なら音符を読むこと、またピアノを弾きたくない気持ちがあった時は、歌を歌うこと、CDを聞くことも家庭練習のうちにはいる事や、好きな曲ばかり弾く事も本人には大切なこと。 沢山話しました。 お母様はすでにわかっていました。 ご自身が小さい時 「毎日ピアノ練習しなさい。」といわれて、いやになってしまった思い出がありました。 今は、何事もなかったかのように、レッスンを続けています。 お母様の心配をよそに、練習量の違いはあっても、必ず宿題をしっかりやってくる私から見たら、相変わらず優等生です。 順調すぎて、私には怖いくらい?ですが・・・・ 練習する子もしない子も、お母さんからみたら心配事はでてきます。 やっぱり、しっかりコミュニケーションとっていくのは大切だな~とつくづくです♪ 突然 「やめます」 なんて言わずに、そうなる前にどんどん相談してもらいたいと思います。 みんな「ピアノが弾けたら楽しいかも?」 と思って、せっかくはじめたレッスンなんですから(^-^)♪ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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