テーマ:介護・看護・喪失(5317)
カテゴリ:グループホーム
2007/06/07 giovedi
薬を届けながら、89歳のグループホームに行く。 「誰か来なかった?」 「別に来ないけど~」 「そう、それならそれでいいけれど・・・」 「誰か来ると言ってるの?」 「そうじゃないけど・・・」 声を潜めて 「最近此処を辞めた人がいて、自分で始めると言ってたから」 「・・・・・・誰も来ないわよ~」 「いろいろあるものなのよ、こういうとこは」 「??????」 入居当初から、グループホームを、自分の経営している学校(のようなもの) と思っている。 何時かその幻想は崩れるかと思ってきたが、むしろ確信は強まっているように見える。 そして、その事業が、思うように発展しないことに、 最近どうやら、苛立っているようだ。 特に、自分が得意とする洋裁部門を作ることが出来ない、ということに。 自分は、随分年をとってしまったので、1人で何もかも出来るわけではない。 だから、誰か代わりに動いてくれる人が欲しい。 そんなことで、苛立っているようだ。 向こうのテーブルから、入所者のU子さんの声がする。 「今日は、帰らなくちゃ」 するとまわりの人が 「あら、帰っちゃうの?お泊まりなさいよ」 「そんなコトしていられないわよ。昨夜も泊まったでしょ!」 「そうね~、責任ある立場ですものね~」 U子さん、スタッフのところにやって来た。 「ね~、アタシもう帰るんだけど、荷物何処にあるか知らない?」 ス「え、帰るんですか?U子さんの分も、お夕飯用意してあるんだけど」 「そんなの困るわよ。昨日も泊まったでしょ?」 ス「ああ、土曜日に○○(息子)さんが来るって言ってらっしゃいましたよ」 「え~っ、それまで、此処にいるの~?」 ス「たしか、△子さんもいらっしゃるようなこと言ってましたよ」 「あら、△子さんも?あの人達まだあそこにいるのかしら・・・」 内緒の話があると、89歳が私を誘うので、一緒に部屋に行く。 ところが、ベッドに腰掛けたと思ったら、横になってしまう。 「何か話があったんじゃないの?」 「もうよくなったから、帰んなさい」 ああ、そういえば、S市の家に行っても、いつもこう言って追い返された。 薬のことで、電話くれたスタッフが、 「この頃、偶に、家に帰りたいって仰います」 と言ってたので、何処の家のこと言ってるのか確かめたかった。 2年前まで住んでいたS市の家なのか? 生まれてから長いこと住んでいたY市の家なのか? それとも我が家のことなのか? そんなことどうでも良くなった、というより、自分がそんなこと言ったこと、 おそらく覚えていない。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2007年06月09日 06時38分47秒
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