カテゴリ:音訳ボランティア
2007/11/10 sabato
1冊の単行本を音訳して、目の不自由な方に提供するのが私達音訳ボランティア。 公立点字図書館を活動の場としている。 今日も、1冊の本の、吹き込みをするMさんと、その本を選択した図書館の職員と、 校正を担当する私とで、打ち合わせ。 この時点ですでに、吹き込みをするMさんは下読みをしてある。 書いてある文字をそのまま読んだだけでは、目の不自由な人には理解出来ないことがある。 そうかといって、やたら見当違いの説明を付けたりしたのでは、 聴く人に取って、所謂ウザイことになるし、著作権に触れることにもなりかねない。 実際、それを理由に、音訳にあからさまに批判的な発言をする著作者もいる。 朗読者ひとりでは判断付きかねることが、様々発生するものだ。 校正者との解釈にズレが出ても困ることになるし、 最終責任者である、図書館にも理解して貰わなくてはならないことがある。 今回の見城三枝子著「会話が上手になりたいあなたへ」という、 一見何も難しいことはないように思える本でも、いざ、音訳しようと思うと、 小説などより却って大変。 昔のものと違って、編集がとても自由に、好きなように出来るようになったのも、 実は、音訳者泣かせ。 やたらと記号は使うし、表を挿入するし・・・ おまけにこの本、今の若い人の口調を引用してたりするので、それを読むのも、 正当な読みの訓練を受けてきたオバサン達には、悩みになる。 「マジ、ヤバイ」 これは、美味しいケーキを食べての感想で、とっても美味しいと言ってるのだ。 さて、どう読むか? 「まじ、やばい」か「まじやばい」か(太字アクセント) 当に今風なのは、後者だが、間に読点が入っているから前者がいいのではないか? とまあ、こんなことも相談したりするのだが、 私が、繰り返しいろいろに読んでいたら、視覚障害の職員が笑い出した。 「chiaraさんイイ。第二弾は、chiaraさんに読んで貰おう!」 視覚障害者って、驚くほど記憶力がよく、なにより感性が鋭い。 私達が気が付かない、微妙な違いに気が付いてくれたりする。 私達がいくら考えても、判断に迷うとき、同席してくれている彼の意見が、 何より頼りになる。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2007年11月13日 23時32分32秒
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