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カテゴリ:愛読書
乳と卵 120.乳と卵 姉とその娘が大阪からやってきた。三十九歳の姉は豊胸手術を目論んでいる。姪は言葉を発しない。そして三人の不可思議な夏の三日間が過ぎてゆく。 流れるような独特の文体が音楽のようだなあと感じました。 自由で気まま。 ただ関西弁にあまり馴染みがない私はどこで文章が途切れてるのか 流れが変るのか、つかみ所がなく、すらすら読めるんだけど 「あれ?」と思って戻ること時々ありって感じでした(^^ゞ 内容は「私」と豊胸手術をしたがってる「姉」とその「娘」の物語。 生々しい内容をさらっと関西弁にすることによって軽く 書いているような印象を受けました。 40代になり夜の仕事で娘を育てている母。 少女から女性に身体が勝手に変っていこうとしてるのに 心が追いつかない娘。 そして全く男性に縁がなく子供を産むのか産まないのか いや、産めるのかと漠然と思う私。 三者三様、それぞれに抱える性の悩み。 母乳を吸わせたら胸がなくなったという母。 娘はどんどん美しく成長しそれを眩しく思いながらも 自分の女性としての何かを娘に奪われているような焦燥感。 それでもかけがえのない愛する我が娘。 女と母が複雑に絡み合う心境が豊胸手術への駆り立てているのかな。 娘は娘でどうして私は産まれてしまったんだろう。 母は自分のために苦労している。 母はなんで私を産んだの? 私は子供なんか産まない(たぶん10代前半くらいって大抵こう思うはず) それなのに勝手に身体はどんどん女になっていく。 厭、厭、厭・・・・・。 そして私は以前きちんとあった生理が不順になりつつあり いつまで子供を産めるのか・・・。 女としてのタイムリミットを漠然と考えている。 どれも女性として解らなくはないんだけど それでだから何?って思ってしまう。 もう一歩踏み込んで欲しかったなあっていう気も。 女性の悲哀さと滑稽さは感じられたけど、だからこそ女性という性の輝き みたいなものに触れて欲しかったなあ。 あと明るい作風なのに読み終わったあとの読後感がスッキリしなかったんですよね。 一応いい形で終わってるんだけど・・・何故かなあ・・・・。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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