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小さな宝物

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ちびえみ。

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2008年04月29日
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カテゴリ:愛読書

yom yom (ヨムヨム) 2008年 03月号 [雑誌]

こちらの雑誌からまずは2作品の感想を。

『ネロリ』山本文緒著

大好きな山本文緒さんの久々の小説ということで
とても楽しみにしていました。
タイトルの「ネロリ」というのはアロマをお好きな方なら
よく知ってらっしゃると思うけどエッセンシャルオイルの一つで
純潔の象徴、オレンジの花から作られます。
リラックス効果の他、純潔の象徴であるものから作られながら
催淫作用のある不思議な香りです。
香り自体はさわやかであまり催淫効果があるとは思えないところが
またその2面性を表しているような気がします。

物語の登場人物はもうすぐ50歳になる志保子ともうすぐ40歳になる日出男の姉弟。
そしてひょんなことからこの姉弟と関わりを持つ心温(ココア)という
女の子が軸になります。
日出男は身体が弱くて一度も働いたことがなく、家計を支えるのは姉の志保子。
ずっと昔に両親は離婚していて母方に引き取られその母もすでに
この世を去っているため本当に二人きりで生きている姉弟です。
その関係は外から見ても少し異様なバランスで保たれています。
ところがある日志保子はリストラされることになったり、求婚されたりと
話は急展開に・・・二人は突然の生活の変化に翻弄されていきます。
将来の事を考え、結婚を思い悩む志保子。それを見守る日出男。
求婚相手からもらったアロマポットとネロリのオイル。
生きていくことに精一杯で、とことん節約し、生活必需品以外は
全く買わない家の中に不似合いな甘い香り。
最終的に志保子がどう決断するのか、心温(ココア)と日出男の関係は
どうなるのかは是非小説を読んでいただきたいのですが・・・。

なんとなくとりとめのない文章でバランスが悪く感じられるかもしれないけど
この不安定さこそがこの小説の魅力なのかなあと思いました。
姉弟の関係性にしても、心温(ココア)の心の内にしても・・・。
物事の二面性とその不安定さ。
そんな印象を受けました。



『どこから行っても遠い町』川上弘美著

こちらは本当に川上さんらしい描き方だなあと思う作品でした。
主人公高之の駄目っぷりがむしろ爽快なくらいで(^^ゞ
川上さんってどこか憎めない駄目男を描くのが本当に上手いですよね。
この作品は妻がいながら同じく夫のいる女性と関係を持ってしまう男性が
主人公の物語。
彼は「女は事を決めたがる」というけれどそうさせてるのは
誰なのかな?と私は彼に問いかけたくなります。
本人に全く悪気がないのがまた憎らしいことで。
これって男性と女性の違いなのかもしれないですね。
女性はいろんなことを確かめたくなる生き物なのです。
だから確かめるためには決めなくてはいけないことも増えるのです。
でも男性って結構流れに身を任せてる人が多いですよね。
私はこういう煮え切らない男性は現実的には苦手(^^ゞ
でもこういう男性に惹かれる女性って実は多かったりするんですよね。
私は小説だから他人事だから許せるって感じかな。








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最終更新日  2008年04月30日 11時30分19秒
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