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カテゴリ:愛読書
165.ジャムの空壜
職を失った男は司法試験を目指して勉強中。妻は小学校の教師。結婚後四年、不妊症であることが判明した二人は、人工授精に挑戦する…。自らの体験をモチーフにして綴った、芥川賞候補作。 2001年の作品です。 楽天ブックスでは売られてないみたいで残念です。 こちらの作品は作者自らが体験した不妊治療をモチーフに描かれています。 不妊のお話となるととかく女性側から綴られたものが多いのですが こちらは男性から見た不妊への思いが描かれていて、読んだことのない タイプの作品でした。 日々の生活の中に突然舞い込んできた不妊症という事実。 そして生活の中に溶け込んでいく不妊治療。 不妊を体験した人なら誰しもがどこかここかで共感出来る部分があると思います。 特に男の妹が妊娠したという電話の知らせに妻が 泣き出してしまうところは十二分に理解出来ます。 そして「ジャムの空壜」というタイトル。 子供が出来ないことを悲劇とも不幸ともとらえず ありのままを受けとめようとする男の前向きで少し滑稽な姿。 最後は前向きに進もうとする形で終わりそこが救われます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2008年06月30日 15時01分13秒
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