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カテゴリ:愛読書
親愛なるブリードさま 214.親愛なるブリードさま。 なぜ、罪もない勤勉な日系人が排斥され、強制収容されなくてはならないのか。戦時下のアメリカで、周囲の白眼視をものともせず、日系二世の少年少女に書物と手紙を送り続けた一人の図書館司書がいた。彼女の名はクララ・ブリード。図書館での交流が生んだ、人種偏見を打ち破る魂の交感。初めて明かされる、戦時下の感動ノンフィクション。 真珠湾攻撃のあとアメリカに住む日系人が強制収容されたという話しは 山崎豊子さんの「二つの祖国」を読んだ時に知りました。 「二つの祖国」を読んだのは高校生くらいだったでしょうか。 こちらの作品はノンフィクションで、実際の日系二世の少年少女と 図書館司書との手紙のやりとりがメインになっています。 開戦と同時に着の身着のままで自分の財産を手放すことを余儀なくされ 突然どこへ行くかも解らない列車やバスに乗せられて、たどり着いた収容所。 環境は過酷でその中でたくましく生きる日系人達。 一世は日本から移住してきたいわゆる日本人。 (日本人は移住しても外国人扱いで国籍は取れなかったのだそうです) しかし2世は姿形こそ日本人だけれどアメリカで生まれ育ち 言葉も英語を話し本人達はアメリカ人だと思っていたのに ある日突然友達や町の人たちが自分たちに汚い言葉をかけたり 冷たい視線を送ってくるようになるとまどい・・・・。 日本という見知らぬ祖先の国に彼らは悩まされます。 そして自分の姿を恥じたり、どうしたらアメリカ人として認められるのかという ことに執着していきます。 辛い収容所生活の中でも彼らは楽しみを見つけ、精一杯生きようとします。 そしてそういった人種差別を真っ向から否定して、日系人を励ました クララ・ブリードという一人の女性。 彼女がどれほど彼らの心の支えになったかは手紙から痛いほど伝わってきます。 こういう女性がいたということ。 そしてこういう現実があったということを知ることが出来て良かったなあと思います。 新婚旅行で行ったヨーロッパで、私も初めて人種差別ってものを 目の当たりにしました。 それは黒人の方に対して白人の方が・・・ってこともありましたが 自分自身も黄色いってことをものすごく意識させられました。 ああ私も有色人種なんだあって、初めて自分の人種ってものを 意識したようにも思います。 そして黄色いということを馬鹿にされたり、蔑んだ目で見られたことに ものすごい嫌な気分を味わいました。 ああ~私にもちょっとは日本人としての誇りがあるんだなんて 思った出来事でもありましたが。 これを日常茶飯事、に、そしてもっとひどい言動を受けたら それは人の心を蝕んでしまいますよね・・・・。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2008年08月27日 11時15分23秒
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