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カテゴリ:愛読書
ある秘密 288.ある秘密 父さんと母さんは何か隠してる…。ひとりっ子で病弱なぼくは、想像上の兄を作って遊んでいたが、ある日、屋根裏部屋で、かつて本当の兄が存在していた形跡を見つける。1950年代のパリを舞台にした自伝的長篇。 著者の自伝的小説になっていますがとても簡潔で淡々とした言葉で語られています。 幼い頃から幻の兄(自分の代わりに運動が出来る元気でたくましい兄)を 想像していた著者はある日それが幻ではないことに気がついてしまいます。 おばさんから語られる父と母の秘密。 それは少年の想像をはるかに超える壮絶なものでした。 そして自分が産まれてきたことの罪をかみしめ、生きていく決意を していくのです。 この物語の陰にはホロコーストやアウシュヴィッツは出てきますが それらについては多くを語っていません。 いないぶん、じわり、じわりと恐ろしいものが近づいてくる恐怖を感じます。 現実にあったことがまだそれほど過去ではないのだと改めて思いました。 今の平和が当たり前のものではないことを忘れないように しなくてはと思います。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2008年11月19日 09時28分01秒
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