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カテゴリ:愛読書
サーカス象に水を 296.サーカス象に水を 大テントの中に鳴り響く、大歓声と拍手。いよいよ目玉の演目、象の曲芸がはじまった。と、異常事態を知らせるマーチが場内に鳴り響く!逃げ惑う客、脱走する動物たち―そのとき、ぼくは見てしまった。「彼女」があいつを殺すところを…。それから70年。93歳の老人は、移動サーカスで過ごした四ヶ月間を語り始める。芸なしの象、列車から捨てられる団員、命がけで愛した女性、そしてサーカス史上に残る大惨事のさなかに起こった、あの静かな「殺人」のことを。 とても静かな物語。 93歳の主人公がいる老人ホームの近くにサーカスがやってくることになる。 それをきっかけに23歳の時に体験したサーカスでの出来事を 色鮮やかに思い出していくという話です。 物語の起伏はなだらかで特に93歳の主人公部分は静かで穏やかなのに 力強さを感じまた老人特有の苦悩や行動がとても上手く描かれていると思います。 23歳の頃はかなり青臭く突っ走りすぎな感もあって、同じ人物とは思えないほど。 人ってみんなそうやって知らないうちに変わっていくのかな・・・・。 アメリカの時代背景にはそれほど詳しくなくても楽しめました。 ラストがとても好きです。 ここで最後に23歳と93歳の二人が結びつくような感じがして。 読んでいる時は何となく文章に引きつけられ、読み終わっってから 訪れる読後感がとても良い作品でした。 地味だけど心に残る作品だと思います。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2008年11月28日 13時04分15秒
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