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カテゴリ:愛読書
ジーン・ワルツ 310.ジーン・ワルツ 桜宮市・東城大学医学部を卒業、東京・帝華大学に入局した32歳の美貌の産婦人科医、曾根崎理恵―人呼んで冷徹な魔女(クール・ウィッチ)。顕微鏡下人工授精のエキスパートである彼女のもとに、事情を抱えた五人の妊婦がおとずれる。一方、先輩の清川医師は理恵が代理母出産に手を染めたとの噂を聞きつけ、真相を追うが…。 すごく今の医療の問題を解りやすく丁寧に描いていると思います。 特に産科医療の問題については「うん、うん」と頷きながら読みました。 難しい問題を本当に一般の人にも解りやすく伝えられているなあと思いました。 そういう意味で沢山の人に読んでもらいたいなあと思う作品です。 ただ、ミステリーにするためにしょうがないのでしょうが、理恵の行動は あまりにも逸脱した行為で読んでいてとても恐ろしくなりました。 特に不妊治療をしている人が読んだら真っ青になるような内容です。 そしてこんなことがありそうって思われることが非常に怖いと思いました。 いつも海堂さんの作品は他の何かの作品との結びつきがあるのですが 今回は「医学のたまご」でしたね。 海堂ファンで「医学のたまご」を読んでない方は是非そちらを読んでからこちらを 読むことをおすすめします。 あととても気になることが一つ。 不妊治療において人工授精と体外受精って分けて考えていると思うのですが こちらの本では全てについて人工授精でまとめられています。 顕微鏡下人工授精って言葉も出てくるんだけどこれってどうなのかな・・・。 人工授精と体外受精を含めて人工受精(字が違うところに注目)という言葉を 用いる場合もあるけどこれも紛らわしいのであまり使われていない現状です。 なので体外受精が人工授精に含まれてるっていうのはどうも納得がいかないのです。 だって人工授精というのは 人為的に男性の○~を生殖器に注入することによって妊娠を実現することを目的とした技術 のことだし、 体外受精というのは 排卵誘発剤や外科的手法などによって所得した卵子を体外で精子と接触させ人為的に受精を行ったのち、培養した胚(受精卵)を子宮内などに戻して妊娠を図る手法 そもそも人工授精と体外受精の「じゅせい」の字が違うところに注目してもらいたいのです。 授精とは○~を人為的な手法によって体内にかけて生殖の便宜を図ること。 受精とはおおまかにいうと精子と卵子が結合することを指す。 不妊治療をしている方は解ると思うのですが、段階的に治療が進んで行き タイミング→人工授精→体外受精という順序に多くの場合がなります。 人工授精と体外受精とは治療の方法も値段も大きく異なりますよね。 それをまとめて人工授精と書かれるとなんかものすごく抵抗が・・・・。 一般の方が読むと人工的に受精しているのだから全て人工授精(でも字が違う)って ことで気にならないと思うんですが、治療をしている人にはかなり違和感があると思います。 だって人工授精じゃ受精しているかどうかも解らないですよね。 その辺りがとても気になってどうしようもなかったのでした。 ※○~を言葉にしたらわいせつな表現って出てきたよ(T.T) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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