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カテゴリ:愛読書
儚い羊たちの祝宴 328.儚い羊たちの祝宴 ミステリの醍醐味と言えば、終盤のどんでん返し。中でも、「最後の一撃」と呼ばれる、ラストで鮮やかに真相を引っ繰り返す技は、短編の華であり至芸でもある。本書は、更にその上をいく、「ラスト一行の衝撃」に徹底的にこだわった連作集。古今東西、短編集は数あれど、収録作すべてがラスト一行で落ちるミステリは本書だけ。 身内に不幸がありまして/北の館の罪人/山荘秘聞/玉野五十鈴の誉れ/儚い羊たちの晩餐 『身内に不幸がありまして』だけすでに既読でした。 この話、読んだときも結構ラスト一行の衝撃を感じたんだけど その他の作品も最後にものすごくどんでん返しというのではなく チクっと一刺しみたいな感じで衝撃が来ますよ。 一番好みだったのは『玉野五十鈴の誉れ』かなあ・・・・。 五十鈴さん、すごいです・・・。 表題作の作中に出てくる「メドゥーサ号の筏」は実際にルーブル美術館で 観て衝撃を覚えた絵だったのでゾクゾクしました。 ただ話の展開が読めて自分が好きではない方向へ向かっているのが 解ったのでちょっと読んでて苦しい作品でした。 『北の館の罪人』もオーソドックスだけど安心して読めて好きな作品です。 ちょっと昔風の時代背景と主従関係を軸に描かれている連作ミステリ。 とっても高貴な淀んだ空気が流れてる、黒い連作でございました。 (なんとなく読んだあとこういう口調で語りたくなる感じ) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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