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カテゴリ:愛読書
症例A 6.症例A 精神科医の榊は美貌の十七歳の少女・亜左美を患者として持つことになった。亜左美は敏感に周囲の人間関係を読み取り、治療スタッフの心理をズタズタに振りまわす。榊は「境界例」との疑いを強め、厳しい姿勢で対処しようと決めた。しかし、女性臨床心理士である広瀬は「解離性同一性障害(DID)」の可能性を指摘し、榊と対立する。一歩先も見えない暗闇の中、広瀬を通して衝撃の事実が知らされる…。正常と異常の境界とは、「治す」ということとはどういうことなのか? 遅ればせながらはまっちゃいそう、多島さん。 読むのは2作品目なのですが、こちらもとても良かったです。 膨大な参考資料を見ても解るようにかなり精神科疾患について調べてらして そこから生まれるリアリティのある小説になっていると思います。 思わず「ああ~いたなこういう患者さん」ってちょっと思っちゃったりしました。 物語は精神科病院と博物館という二つの舞台の物語が交互に織りなされていき 最後にはしっかりと結びつきます。 無駄のない美しい文章は最後まで引きつけるものがあり、ミステリとしても 精神科疾患を扱った小説としても満足出来ました。 読んでやっぱり精神科治療っていうのは難しいものだよなあって改めて感じました。 私が働いていたときも私が生まれる前からその病院に入院されてる患者さんや 本名が解らない患者さんがいたりしました。 だから退院っていうのがたまーにしかないのですごく嬉しかったんですよね。 (すぐに戻ってきちゃう人もいるんだけど・・・) 本文にも書いてあったけど私達が出来ることはじっくりと話を聞いて 傍にいて少しでも心の負担が減るように努めること。 お薬なんかもあくまで対症療法でしかないし・・・・。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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