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カテゴリ:愛読書
f植物園の巣穴 123.f植物園の巣穴 植物園の園丁は、椋の木の巣穴に落ちた。前世は犬だった歯科医の家内、ナマズ神主、烏帽子を被った鯉、幼きころ漢籍を習った儒者、アイルランドの治水神…。動植物や地理を豊かにえがき、埋もれた記憶を掘り起こす会心の異界譚。 歯医者に行くという日常的な行動から知らないうちに現実ではない世界に 足を踏み込み、忘れていた過去と自分を少しずつ取り戻していく物語なのだけど とにかく日本語がきれいで、文章も心地よく、夢うつつの世界にふわふわと 足を踏み入れそこから一歩ずつ現実という地に足をつけていく雰囲気を 味わいました。 不思議な世界なのにしっかりと理論づけがあってそれはちょっと精神学の 領域って感じ。 主人公がたどり着いた先が穏やかでそれがとても良かったと思います。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2009年06月13日 15時08分18秒
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