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カテゴリ:愛読書
贖罪 144.贖罪 取り柄と言えるのはきれいな空気、夕方六時には「グリーンスリーブス」のメロディ。そんな穏やかな田舎町で起きた、惨たらしい美少女殺害事件。犯人と目される男の顔をどうしても思い出せない四人の少女たちに投げつけられた激情の言葉が、彼女たちの運命を大きく狂わせることになる─これで約束は、果たせたことになるのでしょうか? 文章が読みやすいので決して読んでいて気持ちのいい話ではないのに すいすいページが進んでしまいます。 手紙を読んでるような感覚になるからなのかな。 「告白」同様、各自の独白の連作スタイルになってます。 少女の殺害事件と偶然それに関わってしまった4人の少女。 そして殺された少女の母親。 4人の少女がそれから辿る運命は何とも壮絶なのだけれど ちょっと出来過ぎかなあというか展開が強引な気がしないでも・・・。 おまけに読み進めていくとうっすらと犯人像が見えてくるんだけど その動機が納得出来ないっていうか、それでこんな事件を起こすか?って いう動機の弱さが否めないかなと・・・。 ま、犯人の動機はこの本の中ではあまり重要性を持たないんだろうけど 私はちょっと気になってしまいました。 あと、この田舎町の雰囲気、自分もプチ田舎出身なので解ります。 あの閉塞感と小さな連帯感。 表面上はニコニコしながらよそ者を受け付けない感覚。 その辺は本当に上手く描かれているなあと思いました。 読み手が男性が女性かによっても受ける印象は違う本かもしれないですね。 「告白」よりは救いがあるのだけれどそれも賛否両論って感じだし。 このスタイルは2作品読んだので次はまた新しい形のものを 読んでみたいなあと思います。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2009年07月22日 10時04分39秒
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