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カテゴリ:愛読書
187.巡礼 いまはひとりゴミ屋敷に暮らし、周囲の住人たちの非難の目にさらされる老いた男。戦時下に少年時代をすごし、敗戦後、豊かさに向けてひた走る日本を、ただ生真面目に生きてきた男は、いつ、なぜ、家族も道も、失ったのか─。その孤独な魂を鎮魂の光のなかに描きだす圧倒的長篇。 人に歴史あり。ゴミ屋敷にも歴史あり。 ゴミ屋敷に一人暮らす孤独な男の半生。 最初は近所の人やマスコミから見た迷惑な男の姿が語られ なかなか前に進まずちょっともやもやするのだが 男の半生は興味深く読めた。 ただ真面目に生きてきた男。 ただ、今ある自分の状況を受け止めて生きてきた男。 自分がどうしたいとかこうしたいとかそういう時代じゃなかったんだろうけど 仕事も結婚も何となく周りから敷かれたレールに乗っかって 何も考えずに流されてきた男。 たいした恋愛もせず結婚したのもつかの間、不幸な出来事に見舞われ 去っていってしまった妻。 やっと手にした幸せはあっという間に手のひらから滑り落ちていく。 そして一人、また一人と屋敷から去っていき結局一人取り残された男は その隙間をゴミでうめていく・・・・。 読んでいてなんか哀れだなあって思っちゃった。 でも同情はできなかったなあ・・・・。 最後はほんの少し救われる展開でよかったなあって思う。 現実はこうはいかないのだろうけど。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2009年11月07日 13時53分24秒
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