5月に読んだ本~その1~
遅ればせながら5月に読んだ本の紹介です。天国旅行心中をテーマにした短編集で装丁もちょっと怖い感じ。でも読んでみるとどのお話も死に焦点を当てながら「生きる」ということが描かれているなあと思いました。個人的には「初盆の客」が好みです。全体的にそれからどうなったのか、果たして真相はどうだったのかと考える楽しみがある仕上がりになってます。読後感の善し悪しはありますがそれもまた味があってしをんさんはやっぱり凄いなと思いました。読了日:05月20日 著者:三浦 しをん乱心タウン登場人物が多いけど読みにくさは感じませんでした。厚い本なのになんかさらっと読めてしまう。マナトキオの方達はまさにご乱心ですね。ツッコミどころは満載ですが映像的な作品だと思います。かなりブラックユーモアが効いていて読後感はあまりよくないけれど。読了日:05月17日 著者:山田 宗樹ソルハ児童向けに書かれてますが大人にもおすすめ。96年から01年までのアフガニスタンの出来事を少女ビビの目を通して描かれています。「ソルハ」は平和という意味。イスラム教やアフガニスタンへの興味を惹く物語です。読了日:05月15日 著者:帚木 蓬生定本 育児の百科〈中〉5ヵ月から1歳6ヵ月まで (岩波文庫)乳児体操の方法は上巻にしか載ってないのですね。昔との育児の違いなんかもふまえつつ読んでみるとなかなか面白いです。時代と共に変わってることもあるけれど大部分というか本質は変わっていないのだなあと解ります。読了日:05月15日 著者:松田 道雄エンブリオロジスト-受精卵を育む人たち-一般的にはあまり知られていないエンブリオロジストに着目した一冊。著者自身が不妊治療の経験者ということでとても解りやすく知りたいことが書かれていました。登場する方達の熱意には本当に胸が打たれます。各々のマンパワーに頼るだけでなくエンブリオロジストという職業がもっと認知されて専門職として認められるよう願います。昨年の受精卵取り違えのニュースは本当に驚き中絶されたご夫婦と受精卵の親であるご夫婦、両方の方達がどれほど辛い思いをされたのかと胸が苦しくなりました。読了日:05月13日 著者:須藤 みかカッコウの卵は誰のものいつも通りさくさくと読めたけど何か物足りない感じ。腑に落ちない点も多々あり。テーマは面白いのだけどいろいろと詰め込み過ぎた感は否めず。もっと丁寧に書いて欲しかったなあと。読了日:05月11日 著者:東野 圭吾蝦蟇倉市事件1 (ミステリ・フロンティア)さりげなく話がリンクしているけどもっとリンクしてても面白かったかも。試みとしてはとても興味深いです。好きなのは伊坂さんの「浜田青年ホントスカ」読了日:05月10日 著者:道尾 秀介,伊坂 幸太郎,大山 誠一郎,福田 栄一,伯方 雪日光媒の花前半は苦しくて切なくてモヤモヤするものを胸に残しつつ後半に行くに従って少しずつ白い光が差し込んでくるような暖かさを感じることが出来ました。一匹の蝶がひらひらといろんな花を渡るように少しずつお話がリンクしていきます。ふとした文章にぐっと心が捕まれる場面がありました。ただ希望のある終わり方ではあるけれどやっぱり犯した罪が消えることはなく「償う」ということについても考えさせられる一冊でした。こういうお話も好きですが長編ミステリもまた読みたいなと期待しています。読了日:05月08日 著者:道尾 秀介マドンナ・ヴェルデ理恵にはもともと共感出来なかったけどみどりにも全く共感出来ない。なんかこの母娘の関係が気持ち悪いしみどりは天然なのかっていうくらい理解に苦しむ場面が多々ありました(代理出産を引き受けるときの心情とか自然分娩で産もうとしてたり女は自分のこどもが産みたいだけとか)テーマはとても興味深いのにこの母娘のせいで全然感情移入出来ず。ただこれを読んで妊娠したら定期健診をきちんと受けてくれる人が増えるといいなと思いました(もっと妊娠・出産のリスクにも触れてほしかった)他作品とのリンクにはにんまりなんですけどね。読了日:05月04日 著者:海堂 尊天地明察新しい暦作りに生涯をかけた渋川春海と彼を取り巻く人々の物語。数学は苦手で数字や数式を見ても全くときめかない(逆に目眩する)私でも春海さんの胸がときめく思いが伝わってきてとても清々しい一冊でした。登場人物も魅力的な人ばかりで何度か目頭が熱くなる場面もありました。時代物が苦手という方にもお薦め出来る素敵な一冊。読了日:05月02日 著者:冲方 丁読書メーター