あんしーず的房間

日曜日、オットが私を手招き。

横に控えた太郎の顔色は冴えない。

「下の前歯がぁ～、ぐらぐらする～。」

覗き込むと確かにぐらぐら。

そしてそのぐらぐらの歯の後ろににょっきりでっかい歯。

大人の歯がッ！

わたくしの太郎に大人の歯がぁああああああ。

衝撃だったんですよ。

その後にどかんと寂しくなってしまって。

オットは「すっげえ嬉しい。」そうなんですけど、わたくしはなんというかもう寂しくて。

「ああ、わたしの小さい太郎はやっぱり大きくなるんだな。」って。

ちょうど今、次郎の乳歯がにょきにょき生えてきてて、

「あ、また生えた、これで上下２本づつ、いろんなものが食べられるようになるんだね、ちっちゃいねずみみたいでかわいいね。」

なんて喜んでたのに。

やっぱり太郎の永久歯には複雑で。

ちっちぇえな、アタシ。

そんなこんなで４日目の今朝、オットが

「そろそろいくか。」

と。

ぐらぐらの最終段階、ほんとに皮一枚で未練がましくくっついてるような太郎の前歯。

それをオットは、えいッと取っちゃおうと。

そんなことしたら、小心者で痛がりの太郎に絶対一生恨まれるに決まってるのでわたくしはカンベン。

だいたい、嫌がる太郎をどうやって説得するんだか。ムリヤリ押さえつけて決行するつもりなんでしょうかね。

朝っぱらから５歳児と向かい合って正座して、説得を試みるオット。

やっぱダメじゃ～ん。

横からわたくしも、しぶしぶ助っ人。

「痛かったらやめるよ、すぐ。信じて！」

疑り深い目でわたくしとオットを値踏みする太郎。

太郎が口開けた瞬間には終わってたわ～。

太郎は、あまりにもあっという間で痛くなくてびっくりしてたわねぇ。

ぐっじょぶ、オット。

いそいそと、わたくしが取り出したのは３～４年前に買ってあったＴＥＥＴＨ　ＢＯＸ。



ネットで見つけて買ったものなんですけどね、

今見ると

悪趣味だわね。

「標本でも作る気か。」

と、オットにもすこぶる評判が悪い。

次郎の時は、もうちょっとざっくり入れられる可愛いものにしよう・・・。