【ほんぐこんぐに、ディズニー?】
香港にディズニーランドがオープンしたという。そんなばかな!ディズニーフリークではないが、ディズニーランドはちょっと好きだという知恵の友はとっても驚いた。というより残念ですらある。なぜか。ディズニーランドの権利を所有するウォルト・ディズニーは徹底的な版権管理、イメージ戦略をとっている企業だ。あるとき、ミッキーがやってくる、というイベントに地元がポスターを準備したところ、ディズニーランドから待ったがかかった。「この空の色はミッキーの空の色じゃない。費用はディズニーランドが負担するから作り変えて欲しい」と言ったという。また、「世界にミッキーはひとり」を徹底しているという。園内でも複数のミッキーが鉢合わせになることはないし、めったにないことだが、ミッキーがディズニーランドを離れるとき、入り口には「本日は○○のためミッキーはお出かけです」と表示されるというほどだ。そんなウォルトディズニーだから、ディズニーランド発祥の地アメリカでこそ2箇所にあってその間の時差は3時間だが、その後外国に作った東京ディズニーランド、ディズニーランド・パリは時差の関係で微妙に(完全ではない)「ミッキーは一人」を実現できていたという。それが。東京と時差が1時間しかない香港にディズニーランド、という節操のなさに驚いた。しかも、今後の中国本土の経済成長を考えれば、15-20年の間には上海にディズニーランドを作る可能性はきわめて高い。その場合、同じタイムゾーンに2箇所のディズニーランド、日本も加えれば1時間の時差の範囲に3つのディズニーランドという世界的に見てきわめて奇異なことになる。さらに、負けず嫌いな韓国もソウルにディズニーランドを作りたいという。勘弁してくれ。君たちにはロッテワールドがあるじゃないか。どうせ将来、上海に作ることを考えれば、香港にはエプコットあたりでお茶を濁すという手もあった。エプコットとは、フロリダのディズニーワールドにあるテーマパークのひとつで「未来と世界の調和」をテーマにしているきわめて特徴的なものだ。このテーマからして、香港のイメージにもあうじゃないか。もしくは、海に面しているという地形を生かして、ディズニー・クルーズラインの発着港にするというのもありだったはずだ。既存の選択肢でもこの地に最適なものはあったはずだ。加えて、狭い香港に作ったがために狭いディズニーランドができてしまったというのが残念だ。香港は国土面積1,092平方キロメートルに人口約740万人が住む。これを日本で当てはめると、市町村合併で日本一大きな市になった高山市の半分の面積にその70倍の人口を抱えている現状である。また、日本一面積の小さい県である香川県の約3分の2しかない「国」である。(ご存知の方が大部分だと思うが、アヘン戦争で英国領となった香港はその経済的自由度から急成長したが、1997年に中華人民共和国に返還され、現在は「中華人民共和国香港特別行政区」として一定の経済的自由度を認められている。)もともと狭くて山がちな「国土」だから、平地らしい場所は少なく、97年までメイン空港として活躍していた旧空港は世界でも着陸が最も難しい空港のひとつといわれ、着陸時に洗濯物に手が届きそうだ、という笑い話があるほどである。狭い狭いといわれている日本の人口密度が1平方キロメートル当たり337人であるのに対し、香港は6771人。香港の人口密度は常に通勤電車状態とすらいえる。東京ディズニーランドが年間2500万人の入場者であるのに対して香港ディズニーランドは560万人を見込んでいるという。それは園内面積による制約に他ならない。なにも、花やしきのようなディズニーランドを作ってイメージを悪くする必要性はなかったのではないか。香港ディズニーランド周辺で、グッズもニセ物が山のように現れる点も目に見えるようだ。(ニセモノグッズを身につけた客は入り口で没収されるのだろうか?)知恵の友文化研究所では今回のディズニーの選択は、版権管理、イメージ戦略の点で大きなマイナス要因と分析している。**********今日の会報はどうでしたか?今年の年末休みは香港ディズニーランドに行こう!(言ってること、ちがうし。。。)/甘い。世のためになることをしろ。**********