テーマ:DVD映画鑑賞(14215)
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楽天レンタルhttp://rental.rakuten.co.jp/ の無料お試しキャンペーンのことを以前http://plaza.rakuten.co.jp/CHIEPPI69/diary/200804150000/ にて書きましたが、21日にマイケル・ムーア監督の『シッコ』を見ました。 マイケル・ムーア監督は私の好きな映画監督の一人で、主にドキュメンタリー映画を撮ります。『ボーリング・フォー・コロンバイン』や『華氏911』などで知られる監督で、アメリカ社会の問題点を鋭く描く!監督です。 私がなぜこの監督の映画が好きかというと、英語が分かりやすいからです。この監督の映画はほぼ字幕なしで理解できます。普通の会話でのインタビュー形式だからです。これがドラマだと、慣用句とか口語や俗語が多発するのでかえって難しかったりします。エディー・マーフィーまでくるともうシェークスピアばりの難解さで全く理解できません…(余りに崩れた英語でかえって理解できない) この『シッコ』はアメリカの医療制度について取材した映画です。アメリカの医療は、日本の健康保険と違い、完全に民間企業が管理しています。(日本は国民が3割負担で、あとは企業もしくは国の税金負担ですね)。アメリカの民間の医療保険会社がいかに会社の利益のためにアメリカ国民の保険加入者を食い物にしているか…という内容です。 今の日本の国民負担3割+税金の制度も、これからますますひどくなる高齢化社会で問題点が多いと思っていたのですが、このアメリカの完全民営化のシステムも実に酷いです。加入するときは散々勧めておきながら、いざ手術や入院で保険金を受け取ろうとすると、実に様々な口実を見つけ出しては支払わないという、保険者からお金を搾り取って会社の利益を追求しようとする仕組みであることを映画で描写しています(口実の調査に関してはまさにFBI級…)。 アメリカの仕組みと、医療完全国費負担(国民負担0%)のフランス・イギリスとの対比もしています。(まぁその分フランスとイギリスの所得税は総所得のほぼ半分なんですけど。その代わり年金や医療が無料な訳で、どっちを取るかなんですよね、日本みたいに中途半端がいいのか。)。 フランスの対比でいくと、フランスの場合、確かに医療保険だけでなく有給休暇や産休などの労働者に対しての福祉も充実していますが、その代わり高い失業者率・若者の就職難・難民などの問題もあり、一概に賛美は出来ないと個人的には思います。まぁでも日本はもとよりアメリカと比較してもなお、フランス人のフランス革命以来の『主張すべきことは主張する・権利を主張する』という姿勢は日本人は見習うべきですね。日本人は政治に対しても余りにもおとなしすぎると思います。年金問題にしても、余りにも国民が文句をいわなすぎて役人らの悪事のし放題。なめられてるんですよ、国民は…(あの国土交通省役人の暫定税源を使ってのタクシー通勤代、一体何なのよ…) って脱線しましたけど、アメリカでは911事件のときたくさんのボランティアが遺体や遺留品を掘り起こしたり、救出作業を行ったりしましたが、その多くの人々が今深刻な肺機能不全の病気に冒されています(瓦礫の中で長時間酸素マスクなしに作業し続けたため)。当初は英雄のように称えられましたが、今では国からの病に対する保障もなく、完全個人負担で療養しています。ところがそんな国の英雄達ですら受けられない国負担の医療を受けられる場所がアメリカの中に一箇所だけあったのです。それは… 重要犯罪にかかわった容疑者を収容する刑務所…もちろんアルカイダのメンバーもいる…です。善意でボランティアをした人々が救われず、テロリストが定期検診のための高度医療を無料で受けられる施設(刑務所)にいるとはなんとも皮肉ですね…(って、日本政府も似たようなものだから余り他人事に感じられない)。 日本の今の医療制度を考える意味でも、とても意味のある映画でおススメです。完全民営化も、落とし穴があるということですね。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2008年04月23日 23時42分37秒
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