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2006年02月16日
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カテゴリ:本の話
「嫌われ松子の一生」という本を読みました。ロンドンから帰省中の親友に、暇なときに読むために本を数冊貸したのですが、そのお礼にこの本を貸してもらいました。ベストセラーになったこともある本だと、読んだ後に知ったのですが、恥ずかしながらこの本、そして作家のことは読むまでは知りませんでした。

大学生の川尻笙は、ある日父親から伯母の松子が殺され、彼女のアパートを片付けに行って欲しいと告げられます。伯母なんていることを知らなかった上に、殺されていたことなんて最初は知らなかった笙ですが、松子の生き様について興味を持ち始め、彼女と関わりのあった人たちと会ったり、松子の裁判記録を読んでいくうちに肉親として、一人の女性として彼女の存在が身近なものになっていきます。

国立大学を卒業し中学校の教師になった松子、しかし待ち受けていたものは男に振り回される悲惨な人生でした。それでも一度好きになった男性を信じ、ひたすら待つのですが報われることはなく、53年の人生を惨殺という形で終えることになります。

この本は主人公の松子と甥である笙の二つの立場から描かれています。あらすじだけ読むと悲惨な内容に思われるかもしれないけど、そうでもありません。愛した男性とは全て悲しい別れを迎えることになったり、殺人を犯して刑務所にも入ってしまいますが、男性に尽くしたり、目標に向かってがんばる松子に共感したり、いっしょに腹を立てたりしながら一気に読んでしまいました。悲惨なのだけど、なんだか読んだあとがさわやかなのです。

この小説は今年の5月に中谷美紀さん主演で映画公開されるそうです。松子=中谷美紀、なんだかイメージがぴったりですが、性的な描写の多いこの小説に中谷さんがどこまで演じきるのか楽しみでもあります。

嫌われ松子の一生





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最終更新日  2006年02月16日 15時28分24秒
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