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テーマ:大分&熊本 観光地紹介(831)
カテゴリ:大分・竹田市散策
今日は雨の中、愛染堂へ行ってきました。今週末は年に2回のご開帳日です。毎年、春の岡城さくら祭と秋の竹楽の時に本堂が開帳されます。それ以外の日は中を見ることはできません。ドイツ人の友人、フラウケはベルリンにいたころ東洋美術を勉強し、アジアの仏教芸術に興味を持っているので、誘っていっしょに行きました。
本堂の正面。 後ろから見た愛染堂。 愛染堂は大勝院に、岡藩二代目藩主中川久盛公によって寛永12年に建立されました。しかし、大勝院は明治維新後の神仏分離により、明治2年に廃院になりました。その後、明治7年に岡城にあった岡藩主の祈願寺であった願成院が大勝院の地に移り、愛染堂は願成院本堂になりました。 現在の本尊は大日如来ですが、それ以前は愛染明王でした。全身赤色で深い愛情の神格化されたものであることから、女性の祈誓の対象とされ、恋愛成就の仏様であると言われています。また、その名前から染色業者の信仰も集めています。私とフラウケは、もちろん愛染明王に参りました。 大日如来、愛染明王のほかにも、たくさんの仏像がありました。明治以降多くのお寺が潰れ、近辺のお寺の仏像がこの愛染堂に集められたのだそうです。仏壇にあるいくつかの仏像のほか、特別展示で毎回仏像を変えて展示されていますが、今回は「三尊仏」を見ることがで来ました。この三尊仏はもとは浅草八幡宮三社(豊後大野市大野町)に六代中川公が奉納したものです。 さて、この愛染堂は真言宗のお寺で、昔は愛染明王の前で火を焚いて人々の祈願を書いた木のお札を燃やす、密教のお寺だったのだそうです。だからお寺の内部は黒い墨でくすぶっています。くすぶってはいるものの、壁には見事な壁画が残されています。天井には梵字で獅子を表す文字、これは天上にいる仏様、そして壁には楽器を演奏する天女が描かれています。 これが梵字。外の石灯籠のものです。よく五輪の塔に彫られています。 愛染堂は昭和63年に国指定重要文化財に指定されました。その理由はこの建物がすばらしいという理由だと住職さんが教えてくれました。まず、この建物は釘が一切使われていません。木を組み合わせて造られているのです。また、堂は内部に柱を立てず、屋根の四隅にに隅木を支える邪鬼の彫刻がおかれてバランスが保たれているのです。 この邪鬼がポイント。 肘木の鬼面もおもしろい。 また解体修理をするときには、京都に運ばなければならないのだそうです。壁画も顔料を上塗りするのではなくしみ込ませたり、修理で使う木もお寺の柱と同じ年輪の木を使わなければならないのだそうです。お寺の歴史、仏像のことだけではなく、文化財の保存方法などの貴重なお話も聞くことがで来ました。 愛染堂周辺にもおもしろいものがありましたが、そのお話はまた近々書きたいと思います。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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