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テーマ:大分&熊本 観光地紹介(830)
カテゴリ:大分県散策
雄大なくじゅう連山の麓に湿原地の広がる長者原。ここはくじゅう登山の基地になります。これから山へ登る人を見送るように、湿原地の入り口には1匹の犬の銅像が建っています。14年間も山のガイドを勤めた名犬平治の銅像です。
平治は登山口に捨てられていた真っ白な秋田犬のめす犬でした。バスの切符売りのおじさんが面倒を見ていました。平治という名前は、くじゅう連山のひとつの平治岳(ひじだけ)から名づけられました。それから山のガイド犬として訓練され、くじゅうで14年間登山客のガイドをしました。登山客の歩調に合わせてゆっくり歩き、分かれ道では彼らを待っていたそうです、平治がガイド犬をしていた間は遭難者が出ていないそうです。 1988年6月11日のくじゅう山開きの前日に、平治はガイド犬を引退しました。後を継いだのは平治の子どものチビでした。それから約2ヵ月後の8月3日、平治は登山客を星生キャンプ場に案内した後、力尽きてそこで息を引き取りました。今でも平治の銅像のすぐ下にある平治のお墓に、登山客が手を合わせたりするのだそうです。 平治のお墓。 私がこの平治の物語を知ったのは大学生の頃でした。1992年に平治を題材にした映画が撮られたからです。くじゅうがロケ地ということでぜひ見たいと思いました。そこで試写会に応募、当選し見に行きました。正直映画の内容はどうということはなかったのですが、当時広島市に住んでいた私は美しいくじゅうの山々を懐かしく思いながら見た記憶があります。それから最後に流れる中島みゆきさんの主題歌『誕生』がなかなか感動的なんですね。 物語は知ったものの、それからすっかり平治の話は忘れていました。再び出会ったのは児童館に勤務している頃でした。図書も扱っていたので、新刊を入れたいなと思ってカタログを見ていたときに偶然平治の本を見つけました。それから友人と長者原の湿原地をドライブしたときに、初めてこの銅像を見ました。 平治の銅像はくじゅう連山のほうをいつも向いています。その表情はまるで登山客の無事を祈っているようです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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