|
テーマ:大分&熊本 観光地紹介(838)
カテゴリ:大分・豊後大野市散策
さわやかないいお天気でしたが、今日はどこにも出かけていません。母の北海道のお土産を取りに妹が来ていたし、その後は雨上がりで雑草が生い茂っていたので草取りをしていました。今夜はタラバガニを食べて、それから近所の温泉でのんびりしてこようと思います。
春にけっこう出歩いて写真を撮ってきたのですが、ここで紹介しきれないままです。夏になってしまった…。今回は2週間前に行った、菅尾石仏の紹介をしたいと思います。 菅尾石仏は、豊後大野市三重町菅尾地区にある磨崖仏です。国指定重要文化財、国指定史跡となっています。幅約9メートル、天地約4メートルの5体の仏像が凝灰岩壁に彫られています。彫られたのは平安時代後期だと伝えられています。実は5体も仏様があるなんで知らずに、何気なく行った場所でした。車を停め、緩やかな坂道を上っていくと、目の前に100段はあろうかという急な石段が立ちはだかっています。 ちょっと写真がぶれちゃった。 迂回路もあるのですが、天気の悪い日や雨の翌日はおすすめできません。石段よりも滑りやすく危ないです。階段を上り、石仏の姿が少しずつ見えてくるのですが、これは来てよかったと思いました。朱塗りの鮮やかな5体の仏像が目の前に広がっているのです。 仏像は左より千手観音(191cm)、薬師如来(174cm)、阿弥陀如来(178cm)、十一面観音(184cm)、多聞天(198cm)と並んでいます。どの仏様もバレーボール選手並みの身長ですね。右端の多聞天を除き、方形の台座の上に座しています。多聞天は鬼門北方に位置し、右手に刀、左手に宝塔を持っているので、護衛の役割を果たしているようです。 薬師如来像(左)、十一面観音と多聞天(右)。 これらの仏様は、密教においては厄災、招福、子育てを祈願するといわれており、1000年という永い間この地方の信仰を受け、多くの人々の願いを受けてきたのでしょう。 昔から「岩権現」と呼ばれており、紀州熊野権現を招請したという説もあります。鬼の伝説もあり、鬼を追い払った鶏の鳴き声を真似るお祭なんかもあるようです。 小さなお社もありました。 菅尾石仏の周りにも小さな見所が…。 青面金剛像。 石段の左手の大岩に穴をくりぬいて、仏像を安置しています。この仏像は六本の手を持ち、両腕で日輪、月輪を支え、右の一手は女の髪をつかんでいます。一般に「庚申さま」と呼び、豊作の神として信仰されました。二ヶ月に一度の「かのえさる」の日に祭りが行われます。老子の説いた道教の影響だといわれています。 水霊石(みずたまいし)。 この地区には、昔からこの石が下に落ちると大洪水に見舞われて、地区が泥水に流されてしまうという言い伝えがあるそうです。 この石仏が作られたのは平安末期、社会不安から陰陽道が重視されたり、末法思想が流行した頃ですね。この時代は神仏習合思想もすすんだ頃でもあるし、不安を取りさらい、平和を願い、幸せになりたい一心でに岩に仏様を彫ったのでしょうか。想像を絶する世界です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[大分・豊後大野市散策] カテゴリの最新記事
|