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2006年07月05日
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豊後大野市緒方町には、磨崖仏が3ヶ所あります。先日その3ヶ所とも訪ねてみましたが、今回はそのうち2ヶ所を紹介したいと思います。その2ヶ所とは、宮迫石仏です。この石仏は、宮迫東石仏、宮迫西石仏という名称で、わずか300mほど離れた場所に位置します。双方とも国指定史跡となっています。

まず訪れたのは宮迫東石仏。小さな駐車場に車を停め、少し急な坂道を上っていきます。ちょっと滑りやすいので、雨天の日や雨上がりは気をつけましょう。周りは田んぼなので、草も多いです。

宮迫東石仏。
2006_07030006.JPG

中央には大日如来、その向かって右には不動明王、左には持国天(じこくてん)が立っています。この三尊の左右には吽形(うんがた)・阿形(あがた)の仁王の立像があります。 また、仁王の左側壁には、二基の磨崖宝塔が刻まれています。

中尊は、地元では大日如来と呼ばれています。大日如来の体の各部は代赭色(たいしゃしょく)、黒色、朱色で鮮やかに彩色されています。 不動明王は朱色と黒色、持国天は朱色と黄色で彩色されています。
 
中尊の後壁には、舟形光背(こうはい)が朱色と黄色で描かれ、不動明王と持国天の後壁 には火焔光が描かれており、絢爛な仏画としての一面を示しています。これらの石仏からは、平安後期の作風が感じられますが、豪放な造形と 地域色の強い容姿から鎌倉時代に造られた考えられているそうです。

中尊の左右前方に天保十年(1839年)正月八日寄進の石燈籠一対 があります。正月八日は初薬師の当日であるから、昔は薬師如来として信仰されていたことがこれによって知られているそうです。

この東石仏から西石仏へつづく道があるので、通っていたら草がかなり繁っていて、ヘビが怖いのでいったん下に降りることにしました。駐車場のすぐ左の道から上って行きましたが、ここの石段はぬるぬるした苔が生えていたし、草もかなり繁っていました。しかし強行突破で到着。着いてみると、ちゃんとした石段から上れる道もありました。ただ、ここも天候の悪い日は滑りやすくなっているので、気をつけたほうがよいです。

宮迫西石仏。
2006_07030009.JPG

向かって右から阿弥陀如来、釈迦如来、薬師如来の順に並び 三尊形式をなさず、平等並列の状態で彫られています。 三体とも代赭色、朱色、黒色で彩色されています。背後の岩壁には二重円光を彫出しています。 光背の輪郭も彫刻しており、内部は暗紅色で彩色され、 周縁には墨で梵字が書き連ねています。中でも阿弥陀像の光背が最もはっきりしており、円で囲まれた梵字が多数施されています。

この宮迫西石仏の造顕時代は、大粒の螺髪(らほつ)や類型化した衲衣、単調な裳懸の表現から推定すると鎌倉時代と考えられます。

石仏入口の石段を登った所に、明治27年の旧暦3月21日にこの付近の人々が寄進した一対の石燈籠があります。この記銘年月からみると、昔は弘法大師忌の当日、石仏供養が営まれたものと思われます。

東西石仏の説明は、石仏のところに立っていた説明書きを簡略して書きました。全て書いてもよかったのですが、専門用語が難しすぎて、私にそれを説明できる力がないからです。

両方とも国指定史跡で大切に保存されているようですが、石仏を見に行くまでの道の手入れが行き届いていない感じがしました。昔の人は道が悪かろうが、高いところにあろうが、磨崖仏を彫ったり祈りに行っていたとは思うのですが…。夏はサンダルではなくスニーカー、ショートパンツやスカートではなくジーンズやジャージで行ったほうがよいでしょう。

残るもうひとつの磨崖仏、ここがなかなか素敵な(←苦笑)場所にありました。ここも近々紹介します。





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最終更新日  2006年07月05日 20時07分45秒
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