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2006年07月15日
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豊後大野市三重町の蓮城寺(通称内山観音)といえば、薬師千躰像で有名ですが、ここにはちょっとした長者伝説があります。今日はその伝説を写真を交えながら紹介したいと思います。

真名野(まなの)長者伝説

今から1000年以上昔のことです。奈良の都に玉津姫というお姫様がいました。玉津姫には顔一面に黒いあざがありお嫁にもらってくれる人がいませんでした。そこで、三輪明神様(奈良県桜井市)によい縁談が授かりますように毎日お祈りをしました。すると、夢の中に神様が現れて
「豊後の三重の里に炭焼小五郎という若者がおる。この者と夫婦になれば、末は長者になるであろう」
というお告げがありました。

玉津姫は都を出て豊後に下り、臼杵の港から三重の里の小五郎の所にきました。自分は神様のお告げで夫婦になるために、はるばる都からやって来たことを話しました。小五郎は
「自分は貧乏でやっと暮らしているありさまで、あなたに食べさせるものもありません」
と断わりました。
玉津姫はこれがあれば暮らしに困らないからと、都からもってきた黄金を見せましたが、小五郎には黄金の価値がわかりません。

小五郎は黄金を持って食べ物を買いに出かけました。しばらくして小五郎が帰ってきましたが、手ぶらです。聞くと、下の淵にいるカモに黄金を投げつけたということです。
 玉津姫はあきれて、
「あれは大切なもので何でも買うことができましたのに」
と残念がられました。
「あのようなものは、この山の中や淵に沢山ある」
との小五郎の返事に、玉津姫は驚いて、二人で淵を見に行くと、そこはまぎれもなく黄金が沸き出す淵でした(金亀ヶ淵)。玉津姫が淵の水で顔を洗うと、たちまち黒いあざが落ちて輝くような顔になりました。

金亀ヶ淵。メダカがいるくらいきれいな水です。
2006_07030088.JPG

二人は、黄金を拾い集め金持ちとなり、真名野長者と呼ばれるようになりました。または、小五郎が触る小石はどれも黄金になったという言い伝えがあり、それで人々に真名野長者と呼ばれるようになったともいわれます。

長者は仏教を信じて、唐の天台山に黄金三万両を贈ったので、天台山から蓮城法師が観音・薬師の像を持って来ました。このとき、内山に建立したお寺が今の内山観音(蓮城寺)です。

蓮城寺の門です。
2006_07030035.JPG

境内には真名野長者と玉津姫のお墓があります。
2006_07030090.JPG

後にこの夫婦の間には、般若姫という美しい娘が生まれました。この般若姫の伝説はまた次回にします。この姫の巨大な像にも会いに行ってきましたので、その写真もそのときにアップします。

この人です、この人。
   ↓
2006_07030089.JPG





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最終更新日  2006年07月15日 17時31分15秒
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