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2006年11月01日
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カテゴリ:熊本県散策
先日、葉祥明阿蘇高原絵本美術館の記事を書きましたが、その奥にちょっと車を走らせると、もうひとつ他の素敵な美術館があります。「風の丘・阿蘇大野勝彦美術館」です。

2006_09300050.JPG

美術館の名前にもなっている大野勝彦さんは菊池郡で農業を営んでいました。しかし平成元年の夏、農作業中に機械により両腕を切断するという事故に遭われました。それからは闘病生活、絶望感など数々の困難を乗り越え、闘病中に書いた詩を自費出版されたり、絵も書き始めました。切断された両腕に義手をつけ、それで筆を握って描かれているのです。

それからも詩画集を出版し、いろいろな賞なども受賞されて講演活動も行っているとか。2年前には記念すべき3000回目の講演会はロサンゼルスで個展をかねて開かれたとか。そのときの写真やロサンゼルスを描いた作品も展示されています。

詩画は本当に素晴らしいものばかりです。健常者だってこんなにいい絵は描けないだろうし、心に響くような詩もかけないと思います。数々の困難を乗り越えてからこその作品でだと思いました。そう考えると、自分は日々の努力を怠っているとまた反省。今日できることをいつも明日からって言う自分にまたまた反省しました。

美術館の奥のほうは、家族に奉げる詩画が中心でした。お母様や亡くなったお父様、子どもさんたちへの想いがあふれた詩画は、滅多に泣くことのない私もちょっとうるっときてしまいました。両腕を失ったことに絶望し、自暴自棄になった大野さんを厳しく優しく励まされたご両親がいたから、夢だった阿蘇の高原に美術館を開くことができたんですね…。

私がこの美術館に訪れたとき、大野さんは入り口の前にいて、花の水やりをしていた職員の方とにこやかにお話されていました。義手だったので、すぐに大野さんとわかりました。
「こんにちは」
と挨拶をすると、満面の笑みで迎えてくださいました。なんだか照れてしまって、私はそのまま美術館の中に入っていきました。私の母と生まれ年、月が同じなんですよね。

美術館も素敵ですが、また美術館の目の前に広がる風の丘公園もいいんです。

2006_09300059.JPG

ここはずいぶん前のブログでもお気に入りの場所として同じ写真を掲載しました。四季折々の花が楽しめ、両脇の草むらの中から野鳥が飛び出してきてのんびりできます。風の丘からは阿蘇の高原や葉祥明絵本美術館が目の前に広がって、それはきれいです。阿蘇へドライブに来たら、ぜひ訪れて欲しい場所の一つだって思いました。

大野勝彦さんの美術館は、大分県九重町の飯田高原に別館があるそうです。交流のある俳優の榎本孝明さんの美術館のすぐ目の前です。ここも一度行ってみたいなって思います。

大野勝彦さんの詩より…
『倖せは 気づいた時から 始まる 感謝』
『嬉しいな だって 心に あなたが住んでいる』

こちらで少し作品が見られます→大野勝彦HP





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最終更新日  2006年11月01日 19時25分11秒
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