子どもの地平と保育(私の研究ノート)

　昨日の節分の会で、司会が「みんなの中にいるいろんな「オニ」も追い出しちゃおうよ！」と子どもたちになげかけ、「いじわるオニは、いるかな～?」と言ったとき、Yくんが聞こえるか聞こえないくらいのかぼそい声で「いじわるオニ、いる」とつぶやいたのです。その声、そこにいた保育士たちは皆聞き逃さなかったのです。その4歳児クラスのYくん、全保育士のアタマを悩ませるわんぱくぶり！すぐにけりが入り、手が出て、相手を泣かす、すばやいランボウぶり!叱られるのがわかっているから、やったな、と思うまもなく、姿を消す、という・・・ツワモノ。最近保育士を特に悩ませているのが、乳児クラス0歳と1歳児の小さな子を可愛がるような感じで泣かせてしまうので、小さな子たちがびびっていること。帰りがけに泣かせてしまったときは保護者から苦情が出てしまって・・・。担任は根気よく優しく、時には厳しく話しているのですが、回数は減ってきているものの、それでもかなり心を痛めていました。複雑な家庭の事情が背景にあることも保育士たちはみんなわかっています・・・。そんなＹ君が「ボクにはいじわるオニがいる」とつぶやいたのを、保育士は誰も聞き逃しませんでした。そっと涙ぐんでいる保育士も・・・。悪いことしたな～と、思っても素直にはなかなか謝れない自分のこころのオニ、そんなオニも追い出したい!ときっと思っていたのでしょう。たまたま用事で外出してその場にいなかった私ですら、気持ちが伝わって、じ～んときて・・・、やっぱりうるうるしてしまいました。