子どもの地平と保育(私の研究ノート)

　満開の桜そして、ありがとう、ありがとうの涙でした。

　保育園に春休みはないのです。

　子どもたちの卒園と公立園は職員の異動という二つの別れが

　あります。

　結婚して、子どもを産んで、色々と悩んだ末、

　働かなくては、という思いで子どもを預けるお母さんたち

　朝、あまりにも泣きじゃくるわが子に後ろ髪を引かれ

　部屋を出ていくときの複雑な思い、そんなお母さんの

　気持ちをしっかり受け止めて、安心して仕事ができる

　ように、子どもが一日笑顔で過ごせるようにと・・

　0歳児や1歳児のクラスには特に朝や夕方に部屋に行き

　小さな話題でもお母さんたちとなるべく会話をするように

　心がけ、子どもを抱いて園を出るとき、

　また、明日元気で園に来よう！という送り出し

　を心がけてきたけれど・・・

　退職の園長先生も私もいなくなるという掲示板の発表を見て

　朝や夕方次々顔を見せてくれるお母さんたちに

　皆さんも私も、もう涙でぐしゃぐしゃになってしまいました・・・

　本当にありがとう、ありがとうの一日でした。

　年度末や新しい年度のための準備で

　退職園長を玄関で拍手で送り出し、

　残って仕事をしていた異動の職員も次々送り出し、

　新しい園長（現園の主任が昇格）とずっと残業で・・・

　昨夜、園を閉めたのは夜の10時でした。

　ちょうど園の前の通りの桜は満開!

  駅から大きな公園をはさんで続く桜並木の見事なアーチをくぐりながら

　卒園証書を渡すときにピアノで流した森山直太郎の「桜」の詩

　を口ずさみながら・・・歩き、思いにひたりながら

　二人で遅い夕食、飲みながら・・・

　この一年を色々と振り返りました。

　親たちの小さな悩みも大きな悩みも

　そして子どもへの親の暖かな思いも

　次期園長にいっぱい託して・・・

　4月の2日には新しい園での勤務がまた、始まります。

　今、我が家の居間の一番いい場所に

　職員の皆さんや、

　保護者の方から頂いた写真、メッセージ

　素敵な花、そんな皆さんの暖かな思いに包まれて

　います。

　こんな嬉しい、幸せな気持ちをプレゼントしてくださって

　いい時を過ごさせてもらい・・・

　私こそ、心から感謝の気持ちでいっぱいです。