中山七里氏の 【送料無料】さよならドビュッシー
「このミステリーはすごい!」大賞作品。
設定やリアリティなどはさておき、
この作品中のピアノ演奏の描写に舌を巻く。
演奏中、こちらには何一つ音は聞こえないのに、
妖しく、激しく私の心を打ち続け、
曲が終わると同時に涙が流れた。
鼓動は早いまま止まらず、あの官能的な演奏に心を奪われた。
おなじ音楽を扱う「船に乗れ」などを彷彿とさせました。
ミステリーってのを忘れていた・・・
音楽の描写のとこ、限りなく好き
そして
【送料無料】あんじゅう
昨年の年末、私は悲しい別れを経験した。
日常の生活の中で、その傷は深くも癒えてきていた。
だけど、自分の心の中にぽっかり空いた、落とし穴の存在に、
自分自身もうっかり忘れて、
足を踏み入れてしまうことがある。
この本の「あんじゅう(暗獣)」を読んで、
私は図らずも、自分自身の落とし穴に落ちた。
読む間中、ずっとティッシュを持って、
図書館の本に涙でしわしわを作らぬよう、
気を配って読んだ。
そんな切ないお話だった。
胸がきりきりとするのに、
流れる血はどうしてかあったかい。
そんなお話だった。