だいすきな西加奈子氏。
猫のラムセス2世と飼い主きりこについてのおはなし。
ぶすのきりこが自分のぶすを受け入れ、世界を受け入れ、
人とは、自分とは、悩みながら成長していく。
そして、目線はいつも猫のラムセス2世目線で語られる。
きりこが
中身も容れ物も両方あって自分なのだと、
そして
そんな自分が経験してきたことぜんぶが、じぶんなのだと、
じぶんを確立していくところが好きだ。
みんな中身もまちまち
容れ物もまちまち
だけど、
みんな善良なのだと感じさせられる。
そして、
忘れてはならないのは、
バラエティにとんだ愛すべきキャラクターたちが多いこと。
寒い夜に
あったかい布団にぬくぬくとくるまって
読みたい本。
ベッドタイムアイズ」と「きりこについて」
この本たちはめずらしく図書館で借りた本ではなく、
積読本だったので、
ちょっと宿題が片付いた感である。
図書館のリサイクルフェアで手に入れた本たち。
私は、
本が重ねられて、紐で結わえられて
捨てられるのを見過ごすことができない。
活字になった紙が製本され、本になったものが
行き場を失い、捨てられる運命を悲しく思う。
なので、時々ゴミを捨てに行って、
本が捨ててあるのを見ると、
どうしても捨て猫をひらわないでおいてきたように
後ろ髪をひかれる。
だからといって、いらない教科書を、いらない週刊誌を、
いらないレシピ本をひらうわけじゃないけれど。
ただ
看過してるじぶんに
ちくちく甘い針がささる。
というだけなのだが。
今年も来月、
図書館のリサイクルフェアが開催される。
あの本たちの行方を思うと胸が痛むが、
また、沢山の本をget出来るかと思うと、
もう今から緊張する。