Bring Em Out

「　おかあさん・・・おかあさん・・・おかあさん・・・」
もうすぐ息を引き取ろうとしている母親に抱きつき、なんども繰り返し呼び続ける娘。

昨日の夜の話。
少し、こだわりのある彼女とそのお母さん。
少しこだわりが強いが故に、周りから遠のかれていたけど・・・母親を抱きしめている彼女の姿は、すごく愛情を感じた。

ベッドの柵を外し、少しでも近づけるように２人を見守りました。

最近の私はなんだか乾燥しているようで、でもこの娘さんに会った時に、なんだか力をもらったような気がした。

入院した老人の家族へ連絡のための電話をする事がよくある。
「私　嫁なので、私が行ってもわからないので・・・」　？？？
嫁ならば、姑が入院しても驚かないのだろうか？　いろんな事情はあるのだろうけど、そんな言葉で片付けられるところが寂しい。心配するより、自分の都合が優先する。

そんな場面を目にすることが多く、この仕事ってなんなのか？？？とはっきりいってイヤになった。

こだわりがあるけど、ひたむきだった彼女。
生きることにごまかしが出来ない人こそ、すごく苦労したりするのかな・・・って思った。
世間の流れとか、人と一緒とか・・・そんなの関係なくて、自分が一番何が大切かとか、愛情をもてるかとかそんな事のほうが大切だと思うんだけど。

自分すら大切にしないで、人の悪口で１日を過ごす。最近そんな人達のどーでも良いことすら、疲れてきちゃった。

彼女の思いを大切にしたくて、忙しい勤務ではあるけど、ほんの少しの時間を割くこと。それって大切だし、不可能なことじゃないし、難しくもない。
だけど、やりたがらない人、面倒だと思う人、無視する人。　　　あなたの仕事は何ですか？？？　看護師さん？？？

大切な人が消えていく瞬間を、「業務」とか「手順」とか野暮なことを行ってきた同僚。
そんなことにエネルギーを注ぐ前に、人を思いやれないのか？？と唖然だった。


もうすぐ辞めるからいいけど、こんな社会いやだなぁ。

忙しくても、大切なことは忘れたくないな。