免疫力。なんといっても堪えるのは、海外での病気ではないでしょうか。
海外で精神的に不安になるのは、なんと言っても病気ですね。病気と大げさにいえないような、日本にいたら気にならない程度の腹痛、風邪でも辛いですよね。今、久々に風邪を引いてしまって抗生物質を呑んでいますが、これは市販の薬です。風邪用ではないが、これを飲みます。というより、症状は風邪でもインフルエンザかもしれないし、別の病気かもしれない。よくわからないし、こちらのお医者さんの話も信じられないから。いつも同じような薬と点滴を打たれる。こっちにきて、何回風邪引いたかな。毎年、1-2回だと思うが、最初はなんともいえない不安感があったな。大きな病院に連れて行かれたが、とてもぼろい、見るからに不衛生な環境で、来る人たちもひどい状況だった。余計に悪い病気をもらいそうで怖かった。点滴をうったところで、もちろん治るわけではない。ほとんどがブドウ糖だからだ。こちらのひとでも、摂取エネルギーが低いひともたくさんいるわけだから、元気がでるのもわかる。我々にとっては、あまり意味がなく、余計な病気をもらいそうだから、よっぽどでない限りあまり行くべきではないだろう。おかしかったら、すぐに帰国すべきだ。こういうことを繰り返しているうちに、病院の意味を考えさせられる。こちらでは、病院はすべて前払い制。診察費をまず払う。そして、担当の科に行く。検査費を払う。検査してもらって、また担当の科にいく。薬を処方してもらって、薬代を払いに行く。薬だけを扱っている薬局が病院内にあるので、そこで薬と交換する。お金のない人は、どんなに困っていても、診てもらえない。社会主義も共産主義も吹っ飛んでいる。薬代や入院代は、彼らにとってとても高い。ようするに何かあっても、お金がなかったら死ねということだ。厳しい現実をみた。昔の日本もそうだったのかもしれないが、こちらに来るまではそんなことを知らないので、なにかとても切ない気持ちになった。この現実は、言い換えれば、命には値段があるということかもしれない。命の価値観について、考えさせられる。だから、精神的にも、肉体的にも、免疫力が以前よりずっと高まった。何があっても、死んでたまるか。